小沢一郎代表は8日、党首討論後に国会内で会見し、憲法9条の問題、閣僚による核保有発言、教育の問題をテーマにした安倍首相との二度目の直接対決の印象を語った。
冒頭、北海道佐呂間町の竜巻被害に言及した小沢代表は、亡くなられた9人の方のご冥福を祈るとともに、被害者への心からのお見舞いと被害回復を祈りたいと表明。7日付けで民主党として佐呂間町竜巻災害対策本部を設置したことを説明し、「野党だができるだけお役に立ちたい」と述べ、被害対応に力を尽くしていく考えを示した。
党首討論に関しては、閣僚の核保有論の問題をめぐり、「慎重に、発言を慎むよう指示すべきではないか」と小沢代表が質したのに対し、首相が「安全保障の議論すら行ってはいけないというのは如何なものか」といった趣旨の答弁をした点をどう見るか記者団から問われたのに対し、「基本的に同じ考えなのではないだろうか」と述べ、表現に違いはあるものの同様の考えを安倍首相自身が持っているのではないかとの見方を示した。
また、非核三原則を堅持すると発言しながら様々に発言する姿勢について、「ごまかしの手法。政治家としてとるべきではない」と厳しく批判。論理矛盾であり、内外の評価を下げるものであり、関係を危うくするものでもあると指摘した。さらには、1999年に西村真悟防衛政務次官(当時)が核武装発言で更迭されたことを取り上げ、「政務次官でさえ辞任した。閣僚の発言の重みはさらに大きい」と指摘。大きな責任を果たすべきだと釘をさした。
教育基本法改正案をめぐっては、米国の占領下でつくられた日本国憲法は改正に向けて十分議論すべきとする安倍首相の強い主張を取り上げ、「教育基本法も占領下で作られたという点では同じ」と小沢代表は指摘し、十分な審議時間を確保したうえでの徹底審議が必要と指摘。また、政府案で、「教育の目標」に「愛国心」を盛り込むとしている点について以前の会見で小沢代表が「偏狭したナショナリズムに繋がる」と指摘したが現在も同様の考えかを問われた小沢代表は、愛国心は非常に内面的で精神的な問題であり、外から愛国心を持てと教えたところでそうなるものでもないとの見方を示したうえで、「それを強要するのは国家主義、偏狭なナショナリズムというか、そうした政治の手法になってしまう。そして私が心配していた風潮に火をつけるのではないかと心配している」とも語った。
党首討論から明らかになった憲法9条に対する首相の認識をどう見て取るか問われたのに対しては、「憲法9条をあまり重く感じてはいないのではないか。むしろ、時代にそぐわないという言い方をしていた。時代遅れという認識でいると思う」と分析した。
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