鳩山由紀夫幹事長は10日、定例記者会見を党本部で開き、教育基本法改正案、防衛庁の「省」昇格関連法案、核保有発言問題等への対応について語った。
「教育基本法の法案審議を行っていくなかで、大きな問題が次々に出てきた」と語った幹事長は、(1)高校の未履修問題を4年前から把握しながらふせてきた文部科学省の隠蔽体質、(2)高校だけでなく中学未履修問題はあるとの指摘、(3)小泉内閣時代に開かれた教育改革に関するタウンミーティングでの「やらせ質問」の発覚――の3点を極めて深刻に受け止めた。
中学の未履修問題に関しては、実態調査を強く求めているにもかかわらず、文科省が11月下旬に調査をスタートするとしている点について、教育基本法案通過を待っているかのようだと批判。早急な調査に基づき事実を国民に明らかにすべきと重ねて指摘した。あわせて、やらせ質問に代表される政府自体による虚偽、そして文科省による隠蔽体質の一方で、教育基本法改正案を強引に成立させていく手法は断じて許せないとも語った。
防衛庁の「省」昇格関連法案への対応をめぐっては、防衛施設庁の官製談合問題の事実解明が先との認識に立って、防衛施設庁のみなならず防衛庁全体の問題だとも指摘。談合体質が改善されない限り、省昇格によって焼け太りとなるのではないかとの疑念も示した。同時に、官製談合は二度と起こらないという体質には未だ改善されていないとも指摘した。
また、党首討論でも明らかになった、安倍内閣に存在する核保有議論の容認体質にも言及。昨日9日に野党4党で安倍首相あてに麻生外務大臣の罷免要求をつきつけ、申し入れを行ったことを改めて表明した。こうしたことを平然と議論してしまうタカ派体質が露呈していくなかで、省昇格法案が議論していくことは、器の問題以前に大きな問題だと指摘。器の議論にあたっては、体質や発言を整理することが極めて重要だと釘を刺した。
「非核三原則堅持」としながら、「核武装論の議論は必要」とする姿勢に対しては二階自民党国対委員長、山崎元副総裁、谷垣議員ら与党内からも批判があることにも幹事長は言及。13日を期限に回答を求めている麻生外相への罷免要求に対して、正しい検討がなされ、結果が出されることを強く求めるとした。
米国の中間選挙に関しては、民主党が多数を占める結果となった点について、ブッシュ大統領のイラク戦争への批判が国民をして動かした結果との見方を示した。「アメリカも潮目が大きく変わってきた」とも述べ、イラク戦争支持を打ち出した小泉内閣を追及してきたわれわれ民主党の正しさが証明された結果ともいえるとした。
最後に、自民党が知事選・政令市長選で4選以上を目指す候補者を推薦しない方針を決めた点について、「遅きに失したという感はある」としつつも、民主党と歩調を揃えたことを評価する考えを示した。
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