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2006/12/13
【衆院教育特】中井・川内・高井各議員が教基法で首相らと質疑
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 衆議院教育基本法に関する特別委員会で13日午前、中井洽・川内博史・高井美穂の各衆院議員が、民主党・無所属クラブを代表して質問に立った。

 中井議員は、いじめによる自殺、やらせタウンミーティング、未履修問題などへの対応について、委員会の方向性が見えてこない中、野党欠席のままで採決となった事実を指摘。併せて中央公聴会を受けての議論も行わないまま、同日中の採決を強行した与党の姿勢を問題視し、憲法に次ぐ国の根幹に関わる教育基本法の審議として、まだまだ不十分であるとの認識を示した。

 また、政府の教育基本法改正案について、現行教育の改革につながるような根幹については何も謳われていないと指摘。民主党提出の「日本国教育基本法案」には教育委員会の改廃、義務教育における国の責任の明示、教育予算の確保を数字的に盛り込むなど、大きく現行教育制度の欠陥について改定を提言していることを明らかにした。

 更に、中央公聴会での公述人の指摘などを通じても、教育委員会改革が必要になってきたとの見方を示し、どう見直すべきか見解を質したのに対し、伊吹文科相は、「今の教育委員会のままでいいとは思っていない」と繰り返し答弁したが、具体的な方向性は何ら示されなかった。

 未履修問題をめぐっては文部科学省による全国の中学校の実態調査がこれから着手されることについて、対応の遅さを指摘。大至急調査を行って原因究明し、改善につなげていくよう求めた。またやらせタウンミーティングに関して同日午後、政府から報告があることに言及。当時、官房長官であった安倍首相にも責任があると思っているとの認識を示すとともに、小泉政権下では税金を投入しておかしな広告宣伝が繰り返されてきた証明だとの見方も示した。

 中井議員はまた、在日外国人の教育機会の確保の問題を取り上げ、民主党案では「何人も」として日本に暮らす全ての人を対象としているのに対し、政府案では「国民」としていることを明らかにし、法案の違いを浮き彫りにした。

 続いて質問に立った川内議員は、「国会の3分の1を占める野党が改正案に反対であることを表明する」とし、「勢力の変動によって教育基本法改正案は見直されるだろう」と、国会で多数を占めて真の教育基本法改正をめざす考えを表明した。

 次に、川内議員は、タウンミーティングの調査資料について、何時に公表するのか、公表した資料を党委員会の全メンバーにも配布するよう要求した。山本内閣府官房長は、本日12時に配布すると答えた。

 さらに、全国の小学校でのいじめについて、9割に当たる2579校でいじめがないと報告されていることに関して、「信じられるか」と安倍首相に質した。首相は「感覚において実態を反映していないのではと思う」と答え、文部科学省の把握を信用していないとした。川内議員は、いじめの報告ないことが重要なのではなく、いじめは起こりうるもので、隠すのではなく、解決することが重要であると指摘、解決する教師、校長が評価されるような制度を求めた。

 また、文部科学省の体質に川内議員は疑問を呈し、教育基本法改正によって、現状では、教育委員会に指導・助言・援助しかできない文部科学省が指示・命令できるようにしたいのではないか、と詰問した。伊吹文科相は、「国会、教育再生会議、中教審などからいろんな意見を聞き、決めていきたい」と答え、指示・命令権限を持つことに含みをもたせた。

 さらに川内議員は、タウンミーティングでのやらせに関して、処分するとしているが、「法令違反なのか、閣議決定違反なのか、何に基づく責任を問うのか」を質した。首相は当時の官房長官として政治的に責任があるとして、自らも処分する考えを明らかにした。最後に、川内議員は改めて政府の教育基本法改正案には反対である表明して質問を終えた。

 川内議員に続いて質問に立った高井議員は、教育基本法改正に関わるタウンミーティングにかかった広報宣伝経費などの資料に関して、委員会として要求していたにもかかわらず、今日現在まで明らかにされていないことを取り上げ、国会軽視ではないかと迫った。下村官房副長官は、「全部のタウンミーティング174回の全体作業を進めたため遅れ、教育に関する部分の個別要求には応じられなかったが、作業が終了したので、事務方から報告させる」と答えた。これを受け、山本内閣府官房長が、「7回分で広報宣伝費用は1900万円程度」と答えた。

 高井議員は、「タウンミーティング調査委員会にも税金がかかっており、国会で調査した方がいいのではないか」としたうえで、国会の会期中に議論できるように資料をきちんと提出するよう求めた。

 さらに、教育再生会議の位置づけについて確認した後、会議の議論に関して、誰が答弁するのかを質した。伊吹文科相が「答弁するのは官房長官」と答えた。また、高井議員は、教員免許の更新制について、首相の考えを質した。安倍首相は「不適格な教師がいることも事実。更新制をぜひ導入したい」と答えた。

 高井議員は最後に、児童福祉相談所の利用、重要度が増していることを示し、臨床心理士などを増員するよう求めた。安倍首相は「相談所の果たす役割は大きい。十分配慮したい」と前向きに答えた。

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