ニュース
ニュース
2006/12/20
財務原案について(談話)
民主党政策調査会長
松本 剛明


○ 本日、財務省より平成19年度予算案の内示が行われた。その中では、経常的な予算措置が行われるべきいじめ対策、障害者負担の軽減措置、市町村合併補助金などを補正予算で場当たり的に対応し、毎年必要となる児童手当増額分の財源を高齢者雇用のための基金からつまみ食いし、一方で巨額の財政負担が見込まれる米軍再編関連経費は、政府の地元に対する説明不足もあり、先送りしている。安倍内閣の初の予算の実態は「場当たり、つまみ食い、先送り」予算である。

○ 一時期は20兆円にも達していた基礎的収支の赤字が、平成19年度には5兆円を下回る水準まで縮小する見込みである。これは民間の努力による部分もあるが、同時に定率減税の廃止など小泉内閣の5兆円の家計への増税の効果がかなり大きい。政府与党は「景気回復」を盛んに吹聴するが、この増税は国民生活の改善を阻むばかりか、格差の拡大を加速させるばかりである。平成19年度予算の最大の課題は、職を失った人、職に就けない人、負担の急増する高齢者や障がい者などを支援し、生活の安定を確保することである。しかし、安倍政権にはその具体策がないばかりか、「上げ潮路線」の看板の下で、増収の果実を企業負担の軽減のみに振り向ける議論が行われている。家計への増税・企業減税の組み合わせは小泉政権でも実施されており、これを再び繰り返せば、国民の不公平感は拡大し、政府への信頼は失われることになる。

○ 基礎的収支の赤字が縮小したといっても巨額の国債発行は続いている。また債務残高は歴史的にも、国際的にも異例の高水準であり、わずかな財政赤字縮小が長年の自民党政権の税金のムダづかいをかき消すものではない。
 必要なことは、やらせタウンミーティングに見られる税金のムダづかいを根絶し、その使い道を根本的に改めることである。しかし、既に足かけ6年がかりの課題である「道路特定財源の一般財源化」さえ結論を出せず、天下り規制を後退させようとする昔ながらの自民党型安倍内閣に、このような真の改革が実現できるとは到底考えられない。

○ 国民は自らの生活を不安に思い、格差の拡大を放置する政府に不信を抱いている。民主党は、このような市井に生きる人々の訴えを正面から受け止め、税金の使い道を改め、格差の縮小を実現するために、来るべき通常国会において全力で政府与党と対決していく。
記事を印刷する