菅直人代表代行は26日午後、衆議院本会議終了後に国会内で記者団に答え、安倍首相の就任後初の施政方針演説に対する印象を語った。
「総花的で、内容に乏しいインパクトのない施政方針演説だったというのが印象」と開口一番指摘した菅代行は、多くの項目を列挙してはいるが、「推進する」「案を作成する」といった発言止まりで、本当に何を行いたいのか、首相自身の気持ちが伝わってこない演説だったとの見方を示した。
「推進する」「案を作成する」といった語尾は霞ヶ関用語だとの認識を示した菅代行は、結局は霞ヶ関の出してきた案に基づき、頭に若干の言葉をつけたに過ぎないと指摘した。
また、民主党が今国会を「格差是正国会」と位置づけ、多くの国民が格差の拡大に危機感を抱いている現状があり、首相自身も議論しようなどと言いながらも、施政方針演説では「格差」に関して言及がなかった点については、「ある意味で格差について逃げている内容だった」と菅代行は分析した。
小泉前首相との違いを問われたのに対しては、「小泉さんの演説は良くも悪くもどこかに小泉純一郎という人間のある種の思いが伝わってくる部分があったが、安倍さんの演説は安倍晋三という人間の思いが伝わってこなかった」と語った。
29日から始まる代表質問については「政治は生活であるとの観点から、まさに正々堂々の政策論争を期待する」と述べた。
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