民主党・新緑風会の輿石東参院議員会長は30日の参議院本会議で代表質問に立ち、安倍政権が抱える格差問題を中心に追及した。
まず、首相在任4ヶ月を振り返り、造反議員の復党をはじめとする首相の態度は「闘う政治家」とはかけ離れた「あいまい総理」であると批判。「国民は曖昧ではなく、はっきり主張する闘う総理を望んでいる」と述べた。
輿石議員は次に格差問題に言及。「格差是正国会」と位置づけた今国会で厳しく追及していく意向を改めて強調した。安倍政権の基本は小泉政権から受け継がれた競争重視の「小さな政府」の政策であることを指摘。「格差拡大こそが、今の日本社会が直面している様々な問題や社会不安・犯罪の増加などの根底にある」と述べた。個別的には、雇用格差、医療、介護、年金などの問題点を提示した上で、格差是正に向けた考えを明示。しかしながら安倍首相は、制度改正の必要性は認めながらも「安心して働ける制度をつくる」、「必要なサービスが受けられるように取り組む」など、甘い現状認識による、まさに曖昧で抽象的な答えが目立った。
また、経済対策においては、今国会に提出された安倍内閣の予算案について、大企業の優遇策を実施していると批判。「上げ潮政策」と称し法人税減税を盛り込む一方、定率減税の廃止など、国民・家計にとっては負担だけをおしつけるものであるとした。
参議院選挙の争点として、安倍首相が憲法改正を挙げていることについても触れ、「国民にとって身近な福祉や格差に手をつけず、憲法議論をするのは、現実から逃げていると言われてもやむをえない」と追及。「政治は生活」の理念に立っている民主党との意識の違いを浮き彫りにした。
最後に、「何事も曖昧で、愛も信頼も感じることのできない安倍内閣に代わって、愛と信頼の政治と教育を実現するためには、もはや政権交代以外にない」としめくくった。
本議会に先立ち、民主党・新緑風会の今泉昭議員を参議院副議長に選出した。今泉議員は千葉県選出で2期目。
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