被爆者は、どこにいても被爆者である
〜在外被爆者の健康手当未払訴訟確定を受けて〜
民主党『次の内閣』ネクスト厚生労働担当
三井 辨雄
1.ブラジル在住の被爆者が被爆者援護法に基づく健康管理手当の支給について、時効を理由に支払わないのは違法として約二百九十万円の支給を広島県に求めた訴訟の上告審判決で、本日2月6日、最高裁第3小法廷は県の上告を棄却し、被爆者側の勝訴が確定した。
2.今回の判決は、「在外被爆者に健康管理手当を支給しないとした旧厚生省の四〇二号通達は被爆者援護法の解釈を誤った違法なもので、それに沿った事務取扱に法令上の根拠はない」と明確に認定したものであり、在外被爆者の気持ちに寄り添うきわめて妥当な内容と受けとめる。このような違法通達で被爆者の権利を著しく妨げてきた事実について、厚生労働大臣は在外被爆者行政の誤りを認め、素直に謝罪すべきである。被爆者の高齢化は著しく、原告の中には全面勝訴の報せを聞くことなく亡くなった方もいる。政府は今回の判決を真摯に受けとめ、在外被爆者に直ちに過去の未払い分の健康管理手当を支給すべきである。
3.しかしながら、在外被爆者が高齢であっても重病を抱えていても、渡日しなければ被爆者援護法が適用されないという問題は今なお解決していない。民主党は05年に二度、被爆者援護法改正案を国会に提出したが、これは在外被爆者が渡日しなくとも、各種手当のみならず、被爆者健康手帳、原爆症の認定等も申請することができることを明らかにしたものである。政府はこの点についても、法改正を含め、速やかに必要な対策に着手すべきである。民主党は「被爆者は、どこにいても被爆者である」との立場に立って、今後もより一層の被爆者援護施策を充実させるよう引き続き支援に全力で取り組む。
以 上
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