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2007/02/09
原爆症認定判決に対する国の控訴に抗議するとともに、国の被爆者対策への誠意ある対応を求める(コメント)
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民主党『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣
三井 辨雄

1.被爆者援護法に基づく原爆症の認定申請を国が却下したのは違法だとして、被爆者が国を相手取り却下の取り消しを求めている裁判※で、さる1月31日、名古屋地裁は原告2名について認定申請を却下した国の処分を取消し、原爆症と認める判決を下した。これに対し、国は判決を不服として昨日8日、控訴した。
 ※原爆症認定にかかわる訴訟は、全国229人の原告により17地裁・2高裁で提訴されている。

2.名古屋地裁は、「審査の方針が採用する原因確立論のみを形式的に適用したのでは、その因果関係の判断が実態を反映せず、誤った結果を招来する危険がある」と指摘し、被爆者に冷たい国の原爆症認定行政の問題点を厳しく指摘した。
 昨年の大阪・広島両地裁判決においても、国の機械的な認定行政が厳しく糾弾され、国は敗訴しているが、いずれも控訴している。

3.被爆体験が風化する中、被爆者である原告の平均年齢は75歳と高齢化が進んでおり、この3年半の間に31人の原告が亡くなっている。
 しかし国は、裁判の結果を被爆者行政に反映させることなく、現行の原爆症認定基準に固執し、いたずらに控訴を繰り返している。このまま被爆者が死に絶えるのを待っているのではないかという疑念を抱かざるを得ない。

4.広島・長崎の原爆投下から60年以上が経過する中で、依然多くの被爆者が原爆症の認定を求めている。しかし国の認定基準は、判決が判示しているように、残留放射線による被爆を十分には検討しておらず、あまりにも被爆者の実情とかけ離れている。
 現実にそぐわない国の認定基準の見直しは、喫緊の課題である。
 裁判結果を待つことなく、国は原爆症認定行政の抜本改善に向けて誠意ある対応をとるべきであり、その第一歩として直ちに控訴を取り下げるよう、強く求める。
 民主党は、この問題の政治解決に向け、引き続き全力で取り組んでいく。

以 上

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