党障がい者政策推進議員連盟は26日、栃木県内の施設などを訪問、障害者自立支援法による負担増に苦しむ声に耳を傾けた。視察には会長の谷博之参議院議員、事務局長の小宮山泰子衆議院議員、幹事長の園田康博衆議院議員、岡崎トミ子、簗瀬進両参議院議員が参加。DPI日本会議(障害者インターナショナル日本会議)の金政玉事務局次長、自治体議員等も同道した。
まず自閉症や発達障害の子や、人工呼吸器をつけた子を持つお母さんたちの集まり「障害者福祉推進ネットちえのわ」と意見交換した。子の行く末を案じるお母さんたちからは、「地域社会の理解促進に一層の支援を」といった提言が示され、「少しずつ貯金をすればするほど、それを資産と見て負担が増えるしくみはおかしい」など同法の欠陥が訴えられた。
次に芳賀町のけやき作業所を訪問。働く仲間とともに給食をいただいた後、懇談した。小宮山泰子事務局長が「仕事好きですか?」と尋ねると「はーい」とたくさんの挙手。「一人暮らしをしたい方は?」との質問には数人の手が挙がったが、実際に一人で住んでいるという50代男性は、「年金と工賃を合わせ9万円ちょっと。食費を切り詰めているが、アパート代や医療費がかかり、利用料を支払うと赤字になってしまう」と減免措置が適用されてもなお苦しい生活を吐露した。また、利用料の滞納が増えている実態も明らかになった。
この後宇都宮市内で「福祉現場から格差是正を考える」と題して視察報告会を開催。冒頭では地元を代表して福田昭夫衆議院議員が挨拶。意見交換では約80名の参加者からは次々と手が挙がり、「ホームヘルプや医療、補装具などを併用している利用者に対して、総合的な上限を定めるべき」といった運用改善を求める意見や「利用者と事業者の間に利害対立をもたらす応益負担は根本的に間違っている」といった全面的見直しを求める意見が続出した。
最後に谷博之会長は「皆さんのお声を聞き、同法によって本当に厳しい格差社会になってしまったことを実感した。財政再建を言い訳に『取りやすいところから取る』安倍内閣と厳しく対峙し、所得保障なき自己負担増の全面撤回を求め、国会活動をさらに強めていきたい」と締めくくった。
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