参議院予算委員会で5日、小川敏夫議員に続いて質問に立った民主党・新緑風会の大塚耕平議員は、安倍政権が掲げる経済政策の具体的方法、論理的根拠について質した。
大塚議員はまず、安倍首相が所信表明演説「人口減少の局面でも経済成長は可能」とした具体的根拠を求めた。これに対して「IT産業などイノベーションによる生産性の向上」を第一に挙げたが、大田内閣府特命担当大臣の答弁の中で、根拠である生産性の認識に誤りがあることが露呈。イノベーションをどのように起こすか、との質問にも「IT技術を取り入れあらゆる意味でのイノベーションを進める」と、何ら具体的な施策は示されなかった。
また安倍政権が掲げる「成長なくして財政再建なし」という方針について、小泉前首相の「改革なくして成長なし」とは似て非なるものだと指摘。大塚議員は、「歳出改革なくして成長なし」と、自身の見解を示した上で、安倍政権のもと後退している歳出改革の重要性を改めて強調した。さらに、小泉政権以来進められたきた規制緩和についても言及。「ある部分では正しいがやり過ぎた規制緩和には巻き戻しが必要。国民の生活を守る必要があるのではないか」と述べ、「本来の規制緩和とは、タクシーの台数を増やすことではなく、医療、農業など生産性を下げている分野において日本の誇る技術を生かしていくことではないか」と追及した。安倍首相は、薬や医療機器の開発等医療分野の規制緩和について、大塚議員の要請に応じる姿勢を示した。
国民負担率については、家計にかかっている負担費用を含めて指標で各国比較できるよう安倍政権に要請。負担率は低いが、医療・介護・年金・雇用など家計の負担が高まる現実に目を向け「国民が何に困っているのか目を向けるのが政治である」と語った。
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