民主党・新緑風会の大塚耕平議員は9日、参議院本会議で質問に立ち、平成19年度所得税法等改案及び公債発行特例法案に関して尾身財務大臣、塩崎官房長官らに政府の見解を質した。
大塚議員はまず、「所得税改正法等改正案は家計への配慮を欠く内容ではないか」と指摘。「家計の成長なくして持続的な経済成長はない」と自らの見解を示し、企業優遇で家計への負担増の政府の姿勢を追及。尾身財務大臣は、「企業の好調こそが経済活動、家計にも好影響を与える」として、あくまで企業最優先である旨主張した。
塩崎官房長官に対しては、「政府の定義による国民負担ではなく実際の国民負担に関する調査、検討を行う意思があるか否か」と質問。医療・介護・個人年金等実際の家計負担分について考慮する必要性を訴えたが、これらは「サービスの対価としてのもの」との認識を示し、調査・検討の意思を否定した。
また大塚議員は、平成19年度予算案における歳出削減や公共事業関係費の削減率について言及。小泉政権時代に比べて減少していることについて追及したが、尾身財務大臣、塩崎官房長官ともに、特別会計の改定、三位一体改革の税源移譲分の影響であることを理由に、財政改革が後退しているとの自覚は皆無であった。
税収増加分については、金利上昇に伴う国債の金利負担増に備えてプールすべきとの見解を示したが、「金利負担の増加をおさえるために必要」だとしてプールする方針はないことを言明した。
最後に塩崎官房長官に対して、経済財政諮問会議での「今後5年間で日本の労働生産性の伸び率を1・5倍にする」という数値目標の算定根拠と具体的方法、ならびに全要素生産性の引き上げ目標とその因果関係を問い質したが、「人材能力の形成、成長可能性のアップ」等何ら具体性のない答弁に終始。大塚議員はそうした安倍政権に対して「国民に労働生産性の向上を求める前に自らの政策の生産性と創造性を向上させるべきだ」と苦言を呈した。
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