民主党「農業者等のための農協等改革本部」は16日、国会内で農協改革を議題に第一回総会を開催。予定時間をオーバーして活発な議論を展開。冒頭では、同本部事務局長の福田昭夫衆議院議員の司会のもと、顧問の鳩山由紀夫幹事長、同じく顧問の山岡賢次財務委員長、本部長の山田正彦議員(農林漁業再生本部長)がそれぞれ挨拶に立った。
鳩山幹事長は「農協という組織を、農業者のための農協に変えていくために本部を立ち上げた」と語り、農協が関与する数千億円とも言われる補助金の使途情報が必ずしも明らかにされていない現状にも言及。組合員である農業者はもちろんのこと納税者である国民への説明責任を果たすためにも、透明性確保に向けた情報開示の必要性を指摘した。また、「協同組合は中立・公正でなければならない。中立・公正な農協のあり方をつくりだしていきたい」とも語った。
1時間強にわたる総会での議論を経て、山田本部長は記者の質問に答え、「日本農業はきびしい状況にある」と改めて指摘。そうしたなかで民主党は小規模農家切捨てを断行しようとする政府案と相対する形で、先の国会で独自の農業政策を提出したと説明。同時に農業者のための農協となっていない現状を前に、その改革に向けて「農業者等のための農協等改革本部」立ち上げに至ったことを明らかにした。
意見集約しながら、具体的な行動に入っていきたいとした山田本部長は、政府の規制改革・民間開放推進会議が進みようとしている「農協の信用・共済・経済事業の分離分割」については組合員の利便性や事業間の相乗効果を後退させるものだとの見方を示し、「農業者の利益のための改革」に名を借りた「農協つぶし」に他ならないと指摘。農業者の利益を最優先に考え、3事業分割を唱える政府に対して断固反対していく方針を明示した。
また、組合員である農業者への情報開示の徹底を「制度化」などを通じて実現していくべきだと指摘。補助金の使途などに関する情報開示を改革のひとつの柱とするとした。
さらに農協の政治的中立について、「農業者や国民は多用な政治信条をもっていることから『特定の政党のためにこれを利用してはならない』」としている「協同組合原則」に乗っ取り、消費生活協同組合法や中小企業等協同組合法に定めている「政治的中立」の規定を、農業組合法にも明記していく方向で検討することとした。
○農業者等のための農協等改革本部
顧 問 菅 直人 鳩山由紀夫 山岡賢次 鉢呂吉雄
本部長 山田正彦
本部長代理 平岡秀夫
副本部長 筒井信隆 末松義規 渡辺周 川内博史
篠原孝 簗瀬進 櫻井充
事務局長 福田昭夫
事務局次長 岡本充功 主濱了
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