鳩山由紀夫幹事長は24日、福島県を訪れ、県下を精力的にまわったあと、夕方からは参院補選福島選挙区の増子輝彦予定候補ともに、JR郡山駅前で街頭演説を行った。
先にマイクを握った増子予定候補は、地域の皆さんがそれぞれ、大きな問題を抱えていると語り、農業のきびしい現状、シャッター通りと化した商店街の疲弊、子育ての問題、介護・年金の問題など、地方は苦しい環境に追い込まれていることを改めて痛感したことを明らかにした。
「この状況を自民党政治はわかっているのだろうか」と聴衆に訴えた増子予定候補は、国民生活とは乖離した福島県民の平均所得を上回る500万円超の光熱水費の問題を隠蔽し続ける松岡農林水産大臣とそれを擁護する安倍首相と自民党体質を批判した。
鳩山幹事長はまず、先に行われた福島県知事選挙において民主党が推薦した佐藤雄平・前民主党参議院議員の当選に向け、多くの支持を得たことについて「皆様方のお陰」と述べ、改めて謝意を示した。
続いて、かつての自民党には政治改革できる土壌があったが今やその土壌も自浄能力もなくなっているとの見方を示し、松岡農水相の光熱水費の問題、柳澤厚生労働大臣の相次ぐ問題発言、タミフルの問題における対応の不手際などを列挙した。
同時に国民の皆さんの不信を買った政治とカネの問題を質していくことこそが政党の役割であるとの認識を示し、「民主党の存在価値はそこにもある」と表明。「自民党に政治を託すことはできない」と語った鳩山幹事長は、国民の視点に立って政治を行う民主党への支持を改めて訴えた。
そのうえで、「安倍政権が国民の皆さんの期待に応える仕事をしているなら、とやかく言うつもりはない」と前置き。しかし、現実に安倍首相がリーダーシップを発揮したのは郵政造反で落選した自民党議員の復党への決断だけにすぎないと指摘。「これだけが唯一、小泉政治から離れて安倍総理が行った仕事」と重ねて訴え、どうあっても評価できないと厳しく批判した。
また、東京一極集中の所得間格差の問題に言及し、「さまざまな格差が拡大している。こうした問題を直視せず、憲法に話をそらそうとしているのが安倍政権だ」と語り、民主党はこの問題に真正面から取り組んでいることを改めて明らかにした。
さらには、タミフルの問題における厚生労働省の後手後手の対応について「まさに政官業の癒着の構造の表れだ」と指摘し、日本社会に蔓延するこうした状況が癒着の構造外にいる国民にばかり負担を強いる結果になっているとの見方を示した。
「こうした格差は断じて許してはならない」と重ねて訴え、「安倍政権へのNO!のメッセージをみなさんはしっかりと示してほしい」と強く要請。「福島県のみなさんは市民のため、県民のためだけでなく、日本中に影響を与える声だということをご理解のうえ、民主党になお一層のお力をいただきたい」と力説し、挨拶を締めくくった。
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