民主党被爆者問題議員懇談会(会長:高木義明衆議院議員)は23日昼、国会内で、柳澤厚生労働大臣に対し、原爆症認定訴訟の控訴断念を求める要請書(下記ダウンロード参照)を提出した。
これは、被爆者が国を相手取り原爆症認定の却下処分の取消しを求めている裁判で、今月20日に仙台地裁が原告2名全員について、22日に東京地裁が原告21名について、それぞれ認定却下処分を取り消し、原爆症と認定する判決を言い渡したことを受けたもの。国が敗訴するのは5度目だが、過去の判決では国は控訴している。
要請では、控訴を繰り返す政府は高齢化の進む被爆者が亡くなるのを待っているのではないかと批判。柳澤大臣に対し、現行の機械的な認定基準が実態にそぐわないとする累次の司法判断を真摯に受け止め、政治決断により控訴を断念するよう求めた。しかし、柳澤大臣は「検討する」と述べるにとどまった。
要請書提出には、三井辨雄『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣、高木義明、松本大輔(同会事務局長)、三谷光男(同会幹事)各衆議院議員が参加した。
なお、この日午前に開かれた衆議院厚生労働委員会では、同会事務局次長の園田康博衆議院議員もこの問題を取り上げ、控訴断念を求めたが、柳澤大臣は認定基準を「科学的な知見に基づくもの」として、これまでの政府の姿勢を崩していない。
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