民主党の安住淳議員は、25日に開かれた衆院農水委員会で同省構造改善局職員と業者のゆ着問題を取り上げた。安住議員はゴルフクラブ授受や海外旅行接待など具体的な事例をあげて玉澤農水大臣らを追及、18人の処分者を出した昨年末の同省内部調査が腐敗にメスを入れる結果になっていない現状を浮き彫りにした。
安住議員は、ゆ着が指摘されたコンサルタント会社の領収書の写しなどを手に、「同社からの接待で減給処分となった職員はゴルフクラブを購入してもらい、架空の講演料も受け取っている」と指摘、処分が甘いのではないかとただした。これに対し渡辺構造改善局長は「疑惑は承知しているが、本人を事情聴取しても事実を確認できなかった」などと答弁。
安住議員は「本人の言い分だけを聞いて、事実関係がわからなかったと言うのでは調査とは言えない。コピーは省側も入手しているのに、なぜ徹底解明しないのか」と批判。委員会の理事会で、同社関係者や処分者を参考人として招致することを検討するよう求め、松岡委員長も了承した。
安住議員は、内部調査後も農水省職員が農協の海外旅行接待を受けたという報道をとりあげ、「なぜわからなかったのか」と質した。しかし、農水大臣は「捜査権限がないので不十分だが、調査は幅広くやった」など、あいまいな答弁に終始。
このため安住議員は「同局は天下りを抱えた公益法人やコンサルタント会社に事業を丸投げするなど、腐敗の根は深い。国家的横領だ」と厳しく批判し、特定の会社が補助金事業を請け負っている経過を説明するよう求めた。
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