菅直人代表代行(民主党B型・C型肝炎総合対策推進本部本部長)は29日、霞ヶ関の厚生労働省前で、全面解決の要求に背を向け続ける厚労省への抗議の座り込みを行っている薬害肝炎全国原告団を激励するとともに、民主党B型・C型肝炎総合対策推進本部を立ち上げ、問題解決に向けて力を尽くしていることを説明。より一層真剣に、前向きに取り組んで行く考えを改めて表明した。
拍手で迎えられた菅代表代行は、座り込みを続けているC型肝炎訴訟の原告団の一人ひとりと握手。挨拶を求められ、マイクを握った菅代行は「座り込まざるを得ない状況で座り込んでおられる現状に対し、敬意を示すとともに、何とかしなければならないという思いを一層強くした」と語った。
11年前の1996年、薬害エイズの原告団が、同様に座り込み、当時、厚生大臣として菅代表代行自身が相対したことに言及。「あの建物の大臣室に厚生大臣としていたわけだが、窓から座り込んでおられた様子はよく見えた」と語り、柳澤厚生労働大臣も窓から見ている可能性は充分にあるとした。
そのうえで、当時も、厚生大臣として原告団に会うことには省内でかなり抵抗があったことを明らかにしたうえで、座り込み3日目で原告団との面会が実現したのは、当時の政府と与党が一体となって対応したからこそだったと指摘。そうした状況があったからこそ、製薬会社との間で、薬剤の投与時期によって区切るのではなく、一括して同様の条件で救済するという和解案が出され、「国が和解案を認める」に至ったことにも言及した。
「厚生行政は当時と比べ、残念ながら後退している」とも指摘し、「まだ最高裁がある」との姿勢を貫いている政府の姿勢を批判。「薬害という問題はまさに国の責任であることは間違いない」として、裁判に任せていること自体が行政として問題だとの認識を示した。同時に、「厚生大臣がみなさんにお会いしないのは民主主義の考え方として根本的に間違っている」とも語り、改めて問題解決に力を尽くして行くことを表明した。
厚生労働委員会理事の山井和則議員も前日に続き、座り込みする原告団の方々を激励した。
なお、薬害肝炎訴訟を巡っては、大阪、福岡、東京の各地裁で国の法的責任を認める判決が出ているうえ、原告団は判決のたびに厚労相に面談を要請してきたが、柳沢厚労相は「係争中」を理由に拒否している実態がある。
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