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2007/04/13
在日米軍再編特措法案の衆議院通過を受けて(談話)
民主党政策調査会長
松本 剛明

 本日、在日米軍再編特措法案が、民主党の指摘した数々の問題点を残したまま、昨日の安全保障委員会での強行採決を受け、衆議院で可決された。
 
 民主党は、在日米軍再編が国民に大きな負担を強いることから、国民の理解を得ることが必須であると考え、在日米軍再編の経費総額、再編交付金の交付に際し自治体の受け入れ表明を条件とすることの問題、在沖米海兵隊が米国に戻るための移転経費をわが国の税金で負担すること等について、問題点を解消するよう求めてきた。しかし政府からは、誠意ある回答は示されず、説明責任は全く果たされなかった。在日米軍再編は、わが国の安全保障の根幹に関わる極めて重要な問題であり、国民間の議論を深めることなく多数に任せて採決されたことは、極めて遺憾である。政府は米国の顔色を気にせず、真摯に国会において説明し、正面から議論を行うべきである。

 本法案の前提となった米軍再編に関する日米政府間の協議にあたり、政府は国会のみならず、地元自治体や住民から強い説明要求を無視し、対米受け身の姿勢のまま、まったく勝手に決めてしまった。その結果、在日米軍再編の全容や経費の総額が明らかにされぬまま、平成19年度予算において地元への再編交付金51億円が確たる積算根拠も示されずに計上され、なし崩し的に物事が進められているのは極めて問題である。

 再編交付金については、自治体の受け入れ表明を交付の条件とすることが想定されており、国民の税金の使い方として問題があると言わざるを得ない。また、交付金にかかる事項は政令委任が多く、このままでは、国会の関与なくしてカネを出す権限を全面的に政府に与えてしまうことになり、極めて不適切と言わざるを得ない。

 また、国際的にも例のない米軍移転経費負担の一環として、国際協力銀行を通じてグアム移転に係る費用の融資・出資を行う特例措置は、負担の根拠も不透明、会計検査院によるチェックなど、資金の使途を検証する枠組みもないままに、数十年にわたって事業が続くことになる。国民の税金を使って行われるのであるから、米側の言いなりに資金を提供し、チェックすらなされないことになってはならない。

 以上の理由から、本法案には反対せざるを得ない。問題点は山積したままであり、政府に対し、より一層の説明を求めるとともに、参議院において徹底審議を行っていく。

以 上
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