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2007/05/03
憲法記念日にあたって(談話)
民主党幹事長 鳩山由紀夫

 日本国憲法は本日、施行から60年を迎えました。人間で言えば還暦という大変おめでたい節目です。民主党は、この憲法記念日を国民の皆さんとともにお祝いしたいと思います。

 「公権力の行使を制限するために主権者が定める根本規範」というのが、近代立憲主義における憲法の定義です。決して国家がその伝統をうたったり、国民に道徳や義務を課すための規範ではありません。したがって、憲法を変えるか変えないかは、国会や内閣ではなく国民が決めるべき問題です。このことを、憲法記念日にあたって、ぜひ国民の皆さんの心に深く刻んで欲しいと願います。

 安倍首相はいま、在任中の「新憲法制定」を叫ぶ一方、集団的自衛権の行使を認めるための解釈改憲の方針も示しています。憲法を、政権の都合で書き換えたり解釈を変えたりするという、およそ立憲主義とは無縁な、時代錯誤な考え方です。こうした安倍首相の前のめりな改憲姿勢のもとで、国民投票法案についても、公正中立なルール作りのための冷静な議論が失われてしまったことはきわめて残念です。残された問題点が参議院での十分な審議を通じて解決されるよう求めます。

 民主党は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という現行憲法の原理を大切にしながら、真に立憲主義を機能させるために、現行憲法に足らざる点があれば補い、改めるべき点があれば改めるという姿勢をとっています。一昨年秋には、このような考えを「憲法提言」としてまとめ、これをもとに昨年来各地で対話集会を開いてきました。国民の皆さんとの自由闊達な憲法論議を通じて、私たちの憲法に輝きを取り戻すことができるよう、民主党はこれからも積極的な役割を果たしていきます。

以 上
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