小沢一郎代表は11日午後、京都大学大学院(工学系)で「日本社会論」をテーマに講義した。同大学院での講義は今年度で6年目。
このなかで小沢代表は、先月発表された日本、米国、中国、韓国の高校生意識調査結果を基に、日本の若者の間でチャレンジ精神が消滅しつつあるうえ、家族意識などが急速に薄れていることについて「日本社会のメルトダウンが始まっており、病が極めて深刻になっている」と分析した。
また、日本社会は伝統的に和の原理を重視し、リーダーを必要としてこなかったが、「それを可能にしてきたのは社会が基本的に豊かで安定していたからだ」と指摘し、(1)近年のさまざまな格差の拡大(2)戦後初めての貧困層の発生(3)極東地域の不安定さの顕在化――などにより、日本社会が不安定化しているとの見解を示し、この危機を乗り切るために各界でリーダー層の育成に取り組むべきだとの考えを示した。
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