本法案は、国立高度専門医療センター(ナショナルセンター)として設置されている国立がんセンター、国立循環器病センターなど6センターを独立行政法人へ移行させるもの。ナショナルセンターは、国の政策医療における調査・研究及び技術の開発、これらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修を行うことを目的としている。国立がんセンターのように所期の目的に向け特定機能を発揮している研究所・病院もあるが、一方で病院によっては特定疾患以外の患者の方が多かったり、研究実績が乏しかったりと、必ずしもナショナルセンターとしての機能を十分に果たしているとは言えないセンターもある。本法案は6センターとも一括して独法化すこととしているが、国立機関として存続させるかどうかを個別に判断すべきであり、民主党が独法の原則廃止を主張していることから慎重審議を求めてきた。一方で、ナショナルセンターにおける感染症対策等の業務の継続性を確保すべきとの意見もあることから、いったん独立行政法人に移行させた後、廃止や国立機関に戻すことを含めた見直しを行うこと等の修正が実現したため、賛成することとした。
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