密室で行われる取り調べは自白の強要など冤罪を生む温床となっており、最近も富山氷見事件、志布志事件などで冤罪が明らかとなった。また、わが国では自白の任意性がしばしば大きな争点となり、刑事裁判を長期化させている。本年5月の裁判員制度導入も間近に控え、裁判の迅速化を図るためにも、取り調べの全過程を録画・録音する可視化制度の導入は急務である。
内容は以下の通り。(1)取り調べの際は、被疑者の供述及び取調べの状況のすべての映像・音声を記録しなければならない。記録媒体は取り調べ終了時に被疑者の面前で封印しなければならない。(2) (1)に違反して行なわれた取り調べでなされた自白を内容とする供述調書等は、裁判で証拠とすることができない。(3)検察官は、保管する証拠の標目を記載したリストを作成し、公判前整理手続で被告人・弁護人に開示しなければならない。(4)取り調べの可視化は、法律公布後3年以内に段階的に実施する。証拠リストの開示は法律公布後6か月以内に実施する。
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