民主党メールマガジン DP-MAIL 第88号 2003年3月20日 編集・発行/民主党広報・宣伝委員会 DP-MAILのバックナンバーはこちらから http://www.dpj.or.jp/apply/dpmail/ 〓〓 特集 イラク攻撃問題 〓〓 米英両軍を中心にした部隊が20日午前、イラクに対する武力攻撃を開始。こ れを受けて小泉首相は「武力行使の開始を理解し、支持する」と表明しました。 民主党は、この武力攻撃に強く抗議し、即時中止を求めています。 ■目次 【ハイライト】イラク問題に対する民主党の立場 1)党声明(3/20) 2)対イラク武力行使に関する考え方(3/20) 3)党首討論(ダイジェスト、3/19) 【トピックス】イラク攻撃支持の理由を説明しない首相を追及 【談話・見解】米大統領の最後通告を受けたイラク問題に関する考え方、他 【お知らせ!】健康保険3割負担アンケートのお願い 第3回インターネット市民立法募集 ■ハイライト イラク問題に対する民主党の立場 1)---------------------------------------------------- 2003年3月20日 武力攻撃に抗議し、平和的解決の道に立ち戻るよう求める(党声明) 民 主 党 本日、米国等は国連安保理決議がないままでイラクに対する武力攻撃を開始し た。これは明らかに国連憲章に反する行為であり、断乎反対し抗議する。 民主党は、一貫して国連を中心とした平和的解決をめざし、査察の強化・継続 によるイラクの大量破壊兵器の完全廃棄を主張してきた。この事態に対して、 国連安保理が、武力攻撃の中止と一般市民の戦争犠牲を回避するための緊急措 置をとるよう強く要請する。また、米国等の武力攻撃参加国に対して、武力攻 撃を中止し、国連を中心とした国際協調の枠組みに立ち返るよう求める。 米国等の安保理決議なき武力行使について、いち早く支持表明をした小泉政権 と自民党・公明党・保守新党の連立3党に、民主党は強く抗議し、その撤回を 要求する。日本政府は、あくまで国連を中心に、国際社会が一致協力して平和 的解決をめざす姿勢を貫くべきである。同時に、国民に対して、状況、対応方 針などを適切かつ明確に説明するよう求める。 民主党は、この悲惨な戦争を一刻も早く終わらせ、世界におけるテロと大量破 壊兵器の脅威が、国際社会の一致した平和的な努力によって解消されることを めざす。国民のみなさんとともに、今回の安保理決議のない武力行使に反対す る声を大きなうねりとし、一日も早く解決に至るようあらゆる努力を尽くして いく。 以 上 2)---------------------------------------------------- 2003年3月20日 対イラク武力行使に関する考え方 民 主 党 1.基本認識 ○民主党は、国連安保理等を通じた国際協調体制が重要であるとの観点から、 武力行使によらない平和的解決を訴えてきた。イラクは、これまで累次の国連 決議を遵守しておらず、イラクに対して、改めて大量破壊兵器の完全な廃棄を 促してきた。米国等に対しても、国連憲章に定める武力行使に関する国際法の 原則に基づき、単独主義的な行動をとらないよう強く自制を促し、慎重な対応 をとるよう要請してきた。 ○イラクの大量破壊兵器に関する疑惑は完全に払拭されたとは言い難いものの、 装備や人員など査察体制を抜本的に強化し、数ヶ月の期限を切って国連査察を 継続すれば、国連安保理決議1441が意図したイラクによる大量破壊兵器の完 全廃棄は十分可能だったと考える。 ○ブッシュ政権等が、国連安保理での問題解決を放棄し、武力行使に至ったこ とは、国連軽視であるばかりでなく、2度の大戦を経て、「力の支配」から「法 の支配」へ移行しようと努力してきた国際社会の真摯な取り組みに逆行し、国 連憲章など国際法に違反する行動である。さらに、今回の武力行使は、国連安 保理の機能不全を招来させるとともに、その権威の失墜につながり、断じて容 認できず、武力行使の中止を求める。 ○小泉政権は、湾岸戦争時の国連安保理決議、及び武力攻撃を容認していない 国連安保理決議1441を根拠に、ブッシュ政権の対イラク武力行使への支持表 明をしたが、戦争の正当性などについて疑義・批判の声があがる中、国民に対 して全く説明責任を果たしていない。小泉政権の対応は、国益等の観点からも 極めて問題であるとともに、憲法の理念である国連中心主義と国際協調主義か ら逸脱した行為であり、支持表明の撤回を強く求める。さらに、このような重 大な問題について、判断を誤った小泉総理の政治責任を厳しく問うものである。 2.当面の対応 ○国連安保理の機能回復のためにも、早急に米国等を国連の場に引き戻す働き かけを行うべきである。 ○このような緊急時に、内外で不測の事態が起こらぬよう、国連などと連携し つつ、十分な監視体制を敷くとともに、邦人保護をはじめ、危機管理体制に万 全を尽くすべきである。 ○新たな国連安保理決議がない武力行使については、戦費の負担は言うに及ば ず、開戦の経緯から、戦後の占領に係る経費についても支出すべきではない。 ○人道的見地から、食料・医療支援などの避難民対策、トルコ・ヨルダンなど 周辺諸国の安定化に努めるとともに、中東和平問題や国際経済への影響など、 戦争に伴う被害を最小化するための多国間の協調体制を重視する。 ○イラクの戦後復興のあり方については、国際的枠組みを踏まえつつ、わが国 として果たすべき役割を主体的に検討していく。その際、国連安保理及び国際 社会の動向を注視しつつ、慎重に判断していくものとする。 ○『テロ特措法』が拡大解釈なされぬよう厳格な適用を求める。 ○OPEC等の産油国に対し、石油の安定供給に向けた取り組みを求めるとと もに、日本やアジアにおいて、エネルギーの安定供給への対応を検討する。 以 上 3)---------------------------------------------------- 民主党の菅直人代表と小泉首相によるイラク問題についての党首討論が19日 に行われた。討論のポイントは以下の通り。 <米国支持の理由> 菅 新たな国連決議がないままでの武力行使には反対すべきだというのが民主 党の一貫した姿勢だが、なぜ、総理は充分な説明もなく、米国を支持すること にしたのか。国民に説明していただきたい。 小泉 国連決議を無視し続けてきたのはイラクだということを忘れてはならな い。12年間以上にわたって、何回も決議を無視し続けてきた。イラクはあま りにも国連の決議を無視し続け、国際社会の一致結束した意向を甘く見すぎた のでないか。そういう意味において、米国の主張に理解を示し、支持している。 菅 イラクが充分に協力していないことは私もその通りだと思うが、だからと 言って、国連安保理事国の9カ国の賛成が得られない決議案を取り下げ、「安 保理が責任を果たさないから自らが勝手にやるんだ」という行動・考え方に対 して(総理が)支持するのはどういう理由かを聞いているのだ。 小泉 アメリカは国連決議を無視していない。国連憲章にも違反していない。 <イラク攻撃の国際法的根拠> 菅 川口外相は答弁のなかで1441は武力行使の理由にならないとはっきり 述べている。それから678、687は、12年前のイラクのクウェート侵攻 を行ったときの決議で、米国同時多発テロ後の決議ではない。そのため、新た な決議があることが望ましいということになったのでないか。 小泉 私は確かに新しい決議がある方が望ましいと言った。しかし、法的根拠 を問われたから、1441、678、687の一連の決議で、アメリカの武力 行使は法的根拠はあると理解を示し、支持を表明した。過去の決議を無視し続 けてきたイラクの姿勢を問わなければならない。 菅 何度も言うが、イラクが大量破壊兵器をもっと早く破棄すべきだったのは 当然だが、更なる査察の継続によって平和的な解決がありうるこの段階で、そ の道を一方的に閉ざして、米国が軍事的行動に踏み切る決定は国連の考え方に 照らしておかしい。 <国民への説明責任> 菅 こういうギリギリの段階になるまで「その時点になるまで答えられない」 の一点張りではなく、国会で自らの考えをきちんと示すべきだった。何一つ説 明せずに、最後の最後になって、事実上、米国の単なる追従の理屈しか説明し ないのは、国民に対する説明不足だ。 小泉 その時々できちんと説明している。今日の党首討論でもはっきりと日本 の立場を説明した。時期が来れば国会でも説明する。 菅 昨日、ブッシュ大統領の最後通告があったあと、初めて米国支持を明らか にした。それ以前に支持するという言葉を示したとすれば、いつ言ったのか。 少なくとも私が先週の党首会談で「新たな国連決議がないまま攻撃がある場合、 賛成するか」と聞いたところ、「その時点にならないとわからない」と言った ではないか。無責任な態度を続けてきて、前から態度を明確にしてきたと発言 をするのは国民を欺くことだ。 ■トピックス 国会では、国連決議なきイラク攻撃に対する日本政府の対応をめぐって議論が 行われてきましたが、小泉首相は「その場の雰囲気で考える」などと一貫して ごまかし、ブッシュ米大統領が攻撃を決定すると突然「支持」を明確にしまし た。攻撃が開始された現在も、なぜ武力行使という手段が避けられないのか、 明確な理由を国民に説明していません。 <テキスト> ●国会での取り組み 【党首討論】イラク問題で説明責任を果たさない首相を追及(3/19) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030319_02qt.html 野党4党がイラク問題の平和的解決を求める決議案を提出(3/19) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030319_01ketsugi.html 【両院議員懇】米国の武力行使決定に断固として反対を確認(3/18) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030318_04ryouin.html 【衆院本会議】津川議員、不透明な道路公団改革方針を追及(3/18) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030318_03tsugawa.html 【衆院本会議】山田議員、環境産業創出のビジョンを質す(3/18) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030318_02yamada.html ●幹部会見 「一刻も早い攻撃中止を米英に求める」菅代表緊急記者会見(3/20) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030320_05kan.html 「攻撃の即時中止を」菅代表(3/20) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030320_03kan.html 「小泉首相の態度はきわめて不誠実」野田国対委員長(3/20) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030320_02noda.html 「小泉首相は終始一貫話をすりかえている」菅代表(3/19) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030319_03kanbura.html 「米決定は国連憲章違反。首相は支持理由説明を」菅代表(3/18) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030318_05kan.html ●その他 米英両国大使館にイラク攻撃中止を申し入れ(3/20) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030320_05moushiire.html 【次の内閣】「イラク問題に関する考え方」を発表(3/19) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030319_04nc.html 【常任幹事会】衆院東京6区補選・北海道知事選など公認・推薦決定(3/18) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030318_020joukan.html 連合「平和のための緊急集会」で岡田幹事長が連帯発言(3/18) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030318_07rengo.html 自由党との政権構想協議会が第2回会合開く(3/18) http://www.dpj.or.jp/news/200303/20030318_06seiken.html <ビデオ> 菅代表緊急会見(3/20) 200k http://asx.pod.tv/dpj/free/2003/20030320kan_v200.asx 56k http://asx.pod.tv/dpj/free/2003/20030320kan_v56.asx 菅代表定例会見(3/18) 200k http://asx.pod.tv/dpj/free/2003/20030318kan_v200.asx 56k http://asx.pod.tv/dpj/free/2003/20030318kan_v56.asx イラク問題両院議員懇談会(3/18) 200k http://asx.pod.tv/dpj/free/2003/20030318ryoin_v200.asx 56k http://asx.pod.tv/dpj/free/2003/20030318ryoin_v56.asx ■談話・見解 ブッシュ大統領の最後通告を受けたイラク問題に関する考え方(3/19) http://www.dpj.or.jp/seisaku/gaiko/BOX_GK0106.html イラク問題の平和的解決を求める(談話、3/18) http://www.dpj.or.jp/seisaku/gaiko/BOX_GK0107.html 公益法人制度改革について(談話、3/18) http://www.dpj.or.jp/seisaku/gyosei/BOX_GY0049.html ■お知らせ! <健康保険3割負担アンケートのお願い> 4月からサラリーマンの医療費窓口負担が2割から3割に引き上げられようと しています。民主党は、医療制度全体の改革を抜きにした負担の拡大は、国民 の受診率低下を招き、またデフレ下でますます消費を冷え込ませるものだと考 え、引き上げの凍結を求めています。この問題について、ぜひあなたの意見を お聞かせ下さい。 アンケートにお答えいただいた方には、抽選で菅代表の直筆サイン入り著書な どのプレゼントも当たります! アンケートのホームページ http://www.kenpo3.jp/ <第3回インターネット市民立法 募集開始> 「こんな法律や政策があればいいのに・・・」「この法律、あの政策はおかし いので直すべきだ・・・」そんな思いを民主党とともに実現しましょう。民主 党は、過去2回にわたり生活者である皆さんがお気づきになった提案をもとに 議員立法を国会に提出し、また政策に取り入れてきました。今年もこの“イン ターネット市民立法”の政策提案募集をスタートしました。締め切りは4月3 0日。ふるってご応募ください。 募集要項 http://www.dpj.or.jp/koubo/ ■このメールマガジンについて ・民主党メールマガジン「DP-MAIL」 ・編集・発行 民主党広報・宣伝委員会 〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-1 ・「DP-MAIL」は、視覚障害を持つ方などが音声読み上げソフトを使って 読む場合を考え、飾り文字や罫線などを極力使わないようにしています。 ・ご意見・ご感想を prc@dpj.or.jp までお寄せください。 ・このメールマガジンの配信登録解除、送付先変更については、以下のペ ージで手続きしてください。 http://www.dpj.or.jp/apply/off_mail.html ・掲載内容を故意に歪める形での再配布はご遠慮ください。 Copyright(C)2003 民主党 ■民主党は、高齢者や障害者がアクセスしやすい情報発信をめざします。