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2009/02/20
特定肝炎対策緊急措置法案を野党4党で共同提出




 民主党はじめ社民、共産、国民新の野党4党は20日午後、特定肝炎対策緊急措置法案(通称:肝炎医療費助成法案)を衆議院に共同提出。医療費助成の対象をB型、C型肝炎患者に拡大、インターフェロンその他の抗ウィルス剤を用いた治療を受けることが適当との認定を受けた者に対して、月8万円程度かかる治療費の自己負担額を所得に応じて1万〜2万円となるよう国が医療費を助成するもの。なお、住民税が非課税の低所得者は無料とする。法案提出に民主党からは、藤村修『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣、山井和則同副大臣、柚木道義党肝炎対策本部事務局長、菊田真紀子議員が参加した。

 提出後の会見で藤村議員は、政府は昨年4月以来、平成20年度からのインターフェロン医療費助成を決定したにも係らず、10万人計画のはずが現状2万2000人(昨年4〜8月)に留まっていると指摘。このままでは医療費助成がなかった昨年度と同様の年間5万人程度のペースとなるとして、この主たる原因である医療費助成の不足を補うためには、月々現在3〜5万円とする個人負担額を0〜2万円に軽減する必要性を強調、今回の法案提出に至った経緯を説明した。また、今回新たにB型肝炎に効果のある抗ウィルス剤の助成も追加したことを明らかにし、今後については、与党側との協議に持ち込み、早急に法案を成立させたいとの方針を述べた。

 柚木議員は、「ねじれ国会において与野党が合意できる象徴的な取り組みであり、何としても成立させたい」と表明。

 菊田議員は、「患者さんは一日千秋の思いで待っている。政治の力でさらに具体的な対策を講じていきたい」と意欲を語った。

 山井議員は、このままでは医療費助成予算126億円のうち半分の60億円、5万人分の予算が余り国庫へ返還することになり、患者、原告の皆さんは怒っていると指摘。昨年1月に福田前首相が肝炎患者との和解の際に医療費助成を約束したことにも言及し、インターフェロン治療は時機を逃すと適応できなくなり取り返しがつかない、救えたはずの命が放置されることになりかねないと危惧を示し、4月1日までに党派を超えて合意させたいと述べた。

 共産党の高橋議員、社民党の阿部議員もそれぞれ、与党と話し合い、早期成立に向け全力を挙げていくとした。
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