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国会レポート2006

第一章 164回通常国会総括

国民の視点からの立法力と質問力で攻勢

164回通常国会
2006年1月20日〜 6月18日

安全国会と位置づけ、格差拡大を突く

党首討論にて 建てもの・食べもの・乗りもの・子どもをはじめ、政治の根幹の使命である「安全」が危うくなっているため、民主党はこの164回通常国会を「安全国会」と位置づけ、論戦に挑む方針を確認した。同時に会期を通じ、小泉政治5年間を検証して、「光と影」の問題にはじまり、格差拡大・負担増問題の実態を国会内外のあらゆる論戦の場で国民の前に明らかにした。このことが小泉内閣、自公勢力の本質を突く打撃となり、広く世論、マスコミでも議論が高まった。

 また、靖国問題、米軍再編経費問題、米国産牛肉輸入再開問題などの質疑を通じ、小泉政権が、外交の面においても何のビジョンも示すことができず、自主性・主体性・戦略性のいずれも欠落していることを明らかにした。

 見かけ倒しの「小泉改革」が結局国民不在のまがい物であり、人間・企業の心を蝕むだけで、多大な矛盾、国民へのツケ廻しを残すものであったことが露呈した。歴史的に言えば、小泉改革の全ては今後の数年間で破綻し、「内政で財政赤字と格差の拡大」「外交で緊張拡大」の5年間と評価されることになろう。

「4点セット」で火蓋を切る

 164回通常国会は、2005年11月に発覚した耐震強度ねつ造問題、BSE問題(米国産牛肉等の輸入再開)、防衛施設庁の官製談合事件、そしてライブドア事件のいわゆる「4点セット」でスタートした。

 とくに耐震強度ねつ造問題では、民主党はいち早く耐震強度偽装問題対策本部を設置し、2005年末から閉会中審査を開催させ、真相究明を進めた。また、自民党の武部幹事長がこの問題に関して、「悪者探しに終始すればマンション業界もつぶれる、不動産業界もまいってしまう」、などと発言し、また閣僚経験者の関与も明るみに出るなど、まさに政官業癒着構造を象徴する事件として、厳しい国会質疑で政府・自民党を追い詰めた。

 また、BSE問題では、中川農水相に、米国産牛肉等の輸入再開を「現地調査を事前に行わずに踏み切った」ことを明らかさせるとともに、輸入再開直後に「危険部位」が輸入されるという杜撰極まりない事態も発覚し、政府・与党が国民の安全よりも米国政府の要請を優先させているという言語道断の実態を浮き彫りにした。

 このように、通常国会の前半では「4点セット」を中心にして、小泉政権に攻勢をかけていった。また、「4点セット」に加え様々な重要問題については、総合企画政策会議(議長=代表)において、総合的・戦略的な視点から論議に取り組んだ。

メール問題を肝に銘じて

 しかしながら、民主党は、ライブドア事件の質疑の際に、国会質問の原則を踏み外す「メール問題」という失態を引き起こし、国民の期待を裏切った。定率減税の廃止を阻止するという最重要課題に応える前に、謝罪に追われることとなった。民主党は全党を挙げて、自らを厳しく省みて、再び国民の信頼を取り戻すべく、今一度原点に立ち返り再起の道を歩むこととなった。

 前原代表の代表辞任を受け、発足した小沢体制では、何よりもまず国民の視点に立ち、そして地道な調査活動と確かな資料に基づくまさに「質問力」で、再び攻勢に転じた。

 とくに、2006年4月末の衆議院千葉7区補欠選挙では、序盤の劣勢を覆し見事な逆転勝利を収めるに至り、国民からの信頼再生を背に受けて、後半国会に挑んだ。

重要法案のすべてに対案

『次の内閣』閣議にて  民主党は、今国会に政府が提出した法案の中でもとくに国民生活に重大な影響をもたらす法案に対し、国民の視点からの対案を作成・提出した。また、がん対策基本法や、自殺対策基本法、北朝鮮人権侵害救済法案などでは、政府・与党に先駆けて法案化に取り組み、与党が追随する形で成立させた。さらに、教育基本法改正案や組織犯罪処罰法改正案、農政改革関係の法案では、与党議員からも「民主党案の方が優れている」との評価の声も出るほど、霞ヶ関官僚に頼らない独自の立法能力を内外に示した。

 今国会で民主党が提出した議員立法は37本、163国会からの継続法案9本、民主党も関わる委員長提案11本とあわせ、民主党の議員立法の総数は57本に及んだ。このような民主党の正攻法の攻勢を前に、政府・与党は敗走を余儀なくすることとなった。会期終盤で社会保険庁による国民年金保険料の不正免除が焦点化したこともあり、民主党の厳しい追及、国会論戦に耐え切れず、小泉首相は、法案審議を放り出し、参議院選挙が無い年では極めて異例の「延長無し」で会期を閉じた。これによって、教育基本法改正案、国民投票法案(憲法改正手続き)、組織犯罪処罰法改正案、防衛庁の省昇格法案、社会保険庁改革法案、道州制特区推進法案といった小泉政権が「最重要」と位置づけていたはずの法案が、自らが首相を退くことを公言しながらも無責任に先送り(継続審議)にされた。

国民の意見を政策立案に反映

 民主党は、「かわるかも!!」と題して第5回インターネット政策公募(2005年6月22日〜9月15日まで)を実施し、応募総数1,456件の中から、ディプロマミル(学位販売機関)規制、障害者駐車場の規制強化等の政策7件が採用された。採用者は2006年6月に国会を訪れ、提案した政策について説明し、『次の内閣』閣議で採用された提案の法制化等に向けた作業を進めることが確認された。

 そのほか、医療制度改革、消費者契約法等についてパブリックコメントを実施し、民主党の政策に反映させた。

− シンクタンク「プラトン」設立−

 政権を獲得した際にダイナミックな変革を断行するため、政策・人材両面に厚い基盤をつくることを目的に、2005年11月に民主党のシンクタンクとして「公共政策プラットフォーム」(略称:『プラトン』)が設立された。党の垣根を越え、そして、霞が関のみに依存しない独自の政策立案を行う知的集積体をめざし、活動がスタートした。