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国会レポート
> 民主党国会レポート2001
|目次|
序文|
資料1|
資料2|
資料3|
【第1章】第148回〜151回国会の経過と特徴
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具体案を手に政官業ゆ着の既得権益に挑む
【第2章】ネクスト・キャビネットの活動
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1.予算部門
2.内閣部門
3.総務部門
4.法務部門
5.外交・安全保障部門
6.財務金融部門
7.文部化学部門
8.厚生労働部門
9.環境・農林水産部門
10.経済産業部門
11.社会資本整備部門
12.行政監視部門
13.情報通信部門
14.男女共同参画・人権・消費者部門
【第3章】主な法案への対応
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1.一票の格差を2倍以内に
2.参加しやすい選挙制度を
3.目先の地方財政延命策
4.少年の更生を重視
5.「思いやり予算」の見直し
6.周辺事態における船舶検査
7.緊急性乏しい寄せ集め
8.無責任な租税回避路線
9.少人数学級実現への対案
10.飛び入学限定へ修正
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11.クローン人間生成禁止
12.医療抜本改革は先送り
13.企業年金制度を再編成
14.公的年金一元化に向けて
15.エイジフリー社会へ前進
16.地労委であっせん可能に
17.多様な働き方を保障
18.フロン回収を法律で義務化
19.不十分な大気汚染対策
20.PCB処理の清算
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21.担い手確保に向け修正
22.専業農家の経営再建を
23.農業者年金の改革
24.新しい水産行政の枠組み
25.林業基本法改正
26.農業土木偏重はとまらない
27.中小信用補完制度の見直し
28.施設整備へ補助率かさ上げ
29.競争力強化へ環境整備
30.業法廃止による規制緩和
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31.サービス業にも適用拡大
32.制度そのものの改革を
33.ダム事業を抜本見直し
34.公共事業の高コスト是正
35.収用手続きの適正化
36.乗客・乗務員の安全確保
37.高度情報社会の基本理念
38.TVデジタル化推進
39.IT競争を促進
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40.人権尊重社会をめざす
41.夫婦間の暴力も犯罪
42.個人プライバシーを守る
43.機密費の使途限定・公開
44.悲惨な交通事故の厳罰化
第2章 ネクスト・キャビネットの活動
6.財務金融部門
財政構造改革への取り組み
1998年の橋本財政改革の失敗により、政府は景気回復優先の姿勢を鮮明にした。この間、2000年度補正後で34.6兆円、2001年度当初予算では28.3兆円の国債を発行し、国と地方の長期債務は2000年度末で642兆円、2001年度末には666兆円に達することとなった。
しかし、これだけ巨額の財政出動を行いながら、3年連続名目マイナス成長を余儀なくされるなど、景気はますます悪化している。政府の景気対策が、旧来型公共事業を中心とする景気浮揚効果の乏しい分野へのバラマキに過ぎないからである。
わが国経済を再生するためには、財政構造改革を通じて国による資源配分を最適化し、財政健全化への道筋を明確に示すことが不可欠である。このような考え方のもと、民主党は、一貫して財政構造改革の必要性を主張し、取り組み開始から5年後にプライマリーバランスの均衡を達成することを目標に、公共事業の3割削減、特殊法人等に対する補助金の大幅削減等を柱とする財政構造改革の基本方針を決定した。
財政健全化への道筋を示すこともなく、2001年度当初予算において19.6兆円の赤字国債の発行を許す特例公債法案については、当然反対したほか、国債発行額を30兆円以下に抑制するという方針を打ち出した小泉首相に対し、民主党は、国債発行30兆円制限法案を提出、小泉首相に賛成するよう迫った。
また、道路特定財源の見直しについても、小泉首相が具体的内容には一切踏み込まずに見直すとだけ大見得を切っているのに対し、民主党は、まず2年間の時限措置として一般財源化し、その後関連税制も含め抜本改革する方針を決定した。
さらに、財政をわかりにくく不透明なものにしている特別会計について、専門家の協力も得て分析を開始した。
金融問題への取り組み
民主党は、1998年の金融国会以降一貫して、不良債権の実態解明と早期抜本処理を強く主張してきた。政府は、1999年に大手銀行に対し7兆4,500億円もの公的資金を投入し、不良債権処理は完了したと宣言したが、不良債権はなおも増加している。不良債権の実態に関し、民主党は、要注意先以下の債務者に対する問題債権が150兆円にのぼることを明らかにした。
不良債権の抜本処理が進まない原因は、当局や銀行経営者等の責任を明確にした上で、厳格な資産査定と引き当てを課すという大原則が守られていないことに尽きる。民主党は、大手銀行を中心とした緊急一斉検査を実施し、半年間でいわゆるシステミックリスクを解消、遅くとも2年以内に不良債権の抜本処理を完了させることを主張している。政府は、主要行の破綻懸念先以下の債務者に対する不良債権の直接償却を強調しているが、問題の核心は、要注意先に対する資産査定が甘く、間接償却がいまだに完了していないことである。しかも、政府は、不良債権処理に関する具体的な法案の提出をほとんど先送りした。次期国会では、不良債権処理が最大のテーマになることが確実である。
民主党は、不良債権問題の一気解決とセーフティーネットの整備をうたった経済対策を策定したほか、バブルを総括するための「金融問題監視院法案」(日本版ペコラ委員会設置法案)、証券市場の監視体制を強化し、公正な証券市場を整備するための「証券取引委員会設置法案」(日本版SEC設置法案)、中小企業等に対する金融を円滑化するための「地域金融の円滑化に関する法律案」(金融アセスメント法案)を提出した。いずれもわが国金融システムを再生するためには重要な法案であり、次期国会において成立を図る。
税制問題への取り組み
自公保政権は、税制改革の理念も財政再建への道筋も示さないまま、景気対策と称して無責任な減税、相続税の累進税制緩和、朝令暮改の証券税制改正などを続けているが、こうした方策は、もはや景気刺激に積極的効果ももたらさないばかりか、税制のゆがみと不公平、モラルハザードを拡大させるだけである。今求められているのは、これまでの無責任で場当たり的な租税回避路線から経済活動に中立型の税制に転換し、国民が安心できる社会保障の財源基盤を確立するとともに、税制の公平感と信頼を取り戻すことである。また、男女共同参画社会の形成、地方分権のための国から地方への税源移譲、活力あるニュービジネスやベンチャー企業等の新規創業支援、地球環境保全のための資源循環型経済・社会システムへの転換、NPOによる市民中心のしなやかな地域コミュニティーの形成等の課題に対応して、小手先でない思い切った税制改革を進めるべきである。
このような基本的な考え方に立って、民主党は、2001年度税制改正に係る「租税特別措置法等の一部を改正する法律案」、緊急経済対策に係る「租税特別措置法の一部を改正する法律案」に反対するとともに、独自に「特定非営利活動の促進のための法人税法等の一部を改正する法律案」「特定非営利活動の促進のための地方税法の一部を改正する法律案」(NPO支援税制2法案)、「税務行政における国民の権利利益の保護に資するための国税通則法の一部を改正する法律案」(日本版納税者権利憲章法案)を国会に提出するなどの取り組みを行った。
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