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国会レポート2001
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第2章 ネクスト・キャビネットの活動


12.行政監視部門


1998年度決算、1998・99年度予備費等の審査
 151回通常国会では、衆議院で1998年度及び1999年度の予備費、1999年度の公共事業等予備費の計7案件、参議院で同予備費7案件、1998年度決算ほか2案件及び1998年度決算に対する内閣への警告決議が議了・採決となった。民主党は、(1)予備費については、「予見し難い予算の不足に充てるため」との予備費の目的から逸脱した使用が見られ、特に1999年度予備費では九州・沖縄サミット関連の無駄な支出が見られることから反対、(2)1999年度の公共事業等予備費については高規格幹線道路672億円や整備新幹線420億円など予備費の目的から著しく逸脱したバラマキ的な支出であることから反対、(3)1998年度決算については、効果の乏しい利益誘導的経済対策の結果公債残高の急増により財政破綻に向けて舵を切ったこと、金融早期健全化法にもとづき個別銀行救済のために何ら経営責任を問わないまま巨額の公的資金注入を行ったこと、政府機密費に関する詐取事件が明らかになるとともに外務省報償費の内閣官房への「上納」等の不正経理の疑いが濃厚になったこと、KSDと自民党をめぐる政官業癒着・金権腐敗体質が暴露されたこと等から反対し内閣への警告決議に賛成、(4)1998年度国有財産2案件については賛成──との態度を表明した。

特殊法人等改革への取り組み
 特殊法人や認可法人、公益法人については、従来からさまざまな問題が指摘されてきた。一つは、財政投融資の入口である郵貯・簡保資金が自動的に特殊法人等に流れる仕組みであったため、日本道路公団や本州四国連絡橋公団に代表されるような非効率な事業が推進されてきたという問題。二つ目は、毎年巨額の補助金・出資金を特殊法人等に注ぎ込んでいること。三つ目は、特殊法人等に対する財政投融資の中に「官の不良債権」とも言うべき巨額の損失が隠されていること。四つ目は、特殊法人等の下にいわゆるファミリー企業群がぶら下がり、独占的な事業を行っていること。そして五つ目は、特殊法人等及びファミリー企業群が官僚の天下り天国となっていることである。
 民主党は、まず77の特殊法人すべてについて、事業や財務内容についてのヒアリング結果を踏まえ、その個々の業務の内容・性質に応じて(1)廃止、(2)民営化、(3)独立行政法人化、(4)国・地方の直轄事務化のいずれかに分類整理し、官民の役割分担の明確化、行政の透明性の向上を図ることとしている。

天下り禁止への取り組み
 現在、公務員が退職後2年以内に営利企業に天下りすることは原則として禁止されている。しかし、特殊法人や認可法人、公益法人に天下りすることは認められていることから、いったん特殊法人等に天下りした高級官僚が、複数の特殊法人等や営利企業を渡り歩き、高額の役員報酬や退職金を受け取る、いわゆる「渡り鳥」が後を絶たない。民主党は、これまでも国会審議においてこうした問題点を具体的に指摘してきたが、政府はこの問題に真剣に取り組む姿勢を示すことがなかった。そこで民主党は、営利企業だけではなく特殊法人等への天下りも5年間禁止することを柱とする天下り禁止法案を策定、野党3党共同で151回通常国会に提出した。次期国会において成立を図る。

公務員制度改革への取り組み
 2000年12月に閣議決定された行政改革大綱には、2001年1月の中央省庁再編に続き、公務員制度の抜本改革を行うことが盛り込まれており、2002年の通常国会に関連法案が提出される見込みである。それに先立ち、3月には公務員制度改革の大枠が公表され、6月には新制度の基本設計がとりまとめられる見込みである。
 公務員制度改革は、行政改革の観点のみならず、労働基本権の問題を踏まえた議論が必要であることから、民主党は、関係各部門会議を横断する公務員制度改革プロジェクトチームを設置し、議論を深める予定である。

その他
 151回通常国会には、「行政機関が行う政策の評価に関する法律案」(政策評価法案)や「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律案」(独立行政法人等情報公開法案)も提出された。
 政策評価法案は、中央省庁再編にあわせて全政府的に導入された政策評価制度を法制化するものであり、制度の実効性を確保するよう3年後の見直し規定を追加する修正を行ったうえ賛成した。
 また、継続審議となった独立行政法人等情報公開法案は、2001年4月に施行された行政情報公開法を独立行政法人や特殊法人等にも拡大適用するものであるが、指定法人等対象から漏れたものもなお残されており、今後の課題として検討する。



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