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国会レポート2002
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第3章 焦点となった法案への対応


103 住民訴訟制度の改正
地方自治法改正


住民訴訟を骨抜きにする政府案
 政府が154回通常国会に提出した「地方自治法の一部を改正する法律案」には、「市町村合併推進のための住民投票制度創設」と「住民訴訟制度の類型変更」という全く趣旨の異なる内容が混在していた。
 民主党は、前者には積極的推進の立場だが、後者は住民の行政監視機能確保の観点から問題と考えた。従来の住民訴訟は、住民が「違法行為を行った首長又は職員個人」「談合企業」に対し、直接的に損害賠償を求める訴訟(4号訴訟)を起こすことが可能である。しかし政府案は、住民が訴えることができるのは自治体に限られ、住民勝訴後、改めて自治体が「違法行為を行った首長又は職員個人」「談合企業」を訴えるとの内容だった。

真の改革を求める民主党の修正案
 民主党は、(1)現行の4号訴訟形態を維持すべき、(2)ただし従来の4号訴訟のままでは乱訴・行政執行の萎縮等の問題がある、との結論から、修正案を提出した。内容は、個人・企業対象の訴訟形態を維持しつつも、議会の承認を得て団体として行った政策判断は4号訴訟の対象ではないことを明示することで乱訴を防ぎ、また弁護士費用の自治体負担の適用範囲の拡大、長又は職員個人の損害賠償額の上限設定などにより、長又は職員を過重な負担から解放するとした。あわせて、趣旨の異なる内容を同一法案で提出する政府に対し、強く改善を求めた。結局、政府原案のまま成立したが、法案提出のあり方について、総務大臣から「慎重を期する」旨の答弁があった。



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