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国会レポート2002
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第3章 焦点となった法案への対応


27 銀行保有株の国家的飛ばし
銀行保有株買い上げ法


自民党金融族議員主導による国家的飛ばし
 小泉内閣は、不良債権問題の抜本的解決を経済再生の第一歩と位置づけたが、現実には、護送船団方式と称された従来の金融行政と同様、問題先送りとびほう策が繰り返されている。しかも、小泉首相のリーダーシップの欠如により、不良債権問題は自民党金融族議員が主導することになった。
 153回臨時国会に提出された政府の「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律案」(銀行保有株買い上げ法案)は銀行保有株の国家的飛ばし、与党提出の金融再生法改正案(次項参照)は不良債権の国家的飛ばしとも言える極めて筋の悪い政策であり、与党内からも疑問の声が噴出した。

株式市場を歪め、国民に負担を押しつけるおそれ
 銀行保有株買い上げ法案は、銀行に株式保有制限を課すとともに、それによって放出される株を買い上げる受け皿として銀行等保有株式取得機構を設立するものである。機構には、株の買い上げ資金として2兆円の公的資金枠が設定された。
 明らかに銀行救済を目的とした政策であることに加え、機構が不公正取引の温床となって株式市場を歪めるおそれが大きいこと、最大2兆円もの損失が発生し、国民に負担が押しつけられるおそれが大きいことから、民主党は反対したが、法案は成立した。
 さらに、154回通常国会では、一般事業会社が保有する銀行株を買い取り対象とする改正案が与党より提出された。これは銀行株の買い支えを目的とする点でさらに筋の悪い政策であり、民主党は反対したが、参議院で継続審議となった。



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