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国会レポート
> 民主党国会レポート2004
|目次|
序文|
資料1|
資料2|
資料3|
【第1章】第157回〜159回国会の経過と特徴
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正直な政策と政治で政権交代に挑む!!
【第2章】『次の内閣』の活動
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1.予算
2.内閣部門
3.規制・人権・子ども部門
4.総務部門
5.法務部門
6.外務・防衛部門
7.財務金融部門
8.厚生労働部門
9.農林水産部門
10.経済産業部門
11.文部科学部門
12.国土交通部門
13.環境部門
【第3章】焦点となった法案への対応
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1.三位一体改革関連3法
2.裁判員の参加する刑事裁判法案
3.有事関連7法案・3条約
4.外為法・特定船舶入港禁止法
5.イラク特措法案
6.所得税法等の一部改正法案
7.金融強化法
8.地方教育行政組織法改正
9.年金抜本改革推進法案
10.鳥インフルエンザ・BSE対策法案
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11.審査迅速化のための特許法改正
12.高速道路関連法案
13.外来生物種規制法案
14.公益通報者保護等3法案
15.政治改革関連一括法案
16.DV防止法改正
17.児童虐待防止法改正
18.障害者基本法改正
第2章 『次の内閣』の活動
1 予算
2003年度補正予算への対応
159回通常国会の冒頭、政府は2003年度補正予算を提出した。その内容は、社会保障関係の支出増への対応、イラク復興支援経済協力費などを含んでおり、これらの財源として2002年度剰余金の全額を充てることとしていた。
しかし、補正予算の審議中、総理が本会議にでサマワ市評議会の存否に関する答弁を撤回するという異例な事態が生じるほど、政府のイラク実情把握能力及び支援の実効性には極めて大きな疑問があった。また財政法では前年度剰余金の2分の1は国債償還に充当することとなっているにもかかわらず、特例法によってこれを逸脱し、財政健全化に向けた努力を怠った。補正予算には、一部国民生活上必要な経費も含まれているが、以上のような観点から、民主党は反対した。
改革の実績が無い2004年度予算
小泉政権3回目の本予算編成となった2004年度予算は、あたかも前年度予算のコピーのような内容であり、改革の実績はまったく予算に表れていなかった。小泉改革の看板の一つである「三位一体改革」についても、小手先の辻褄合わせに終わっていた。就任当初「国債発行30兆円枠」を掲げた小泉政権であったが、2004年度予算にはその跡形もなく、就任以来110兆円もの国債発行を決定した小泉総理は、名実共に「世界一の借金王」になった。そのほか、年金でも何ら抜本的改革に踏み込まず、その一方では所得税、消費税の増税に踏み込むなど、改革の進展がないばかりか、その停滞のツケを全て国民に押しつけることとなった。
2回目の民主党予算案の編成
民主党は昨年、憲政史上初めて、野党独自の予算案を策定したが、本年も国民に選択肢を示すという二大政党制の一翼を担う責任を果たすために、引き続き策定することとした。
民主党予算案の編成に向けて、まず年末の『次の内閣』において、その基本的な方向性を議論した。そこで、(1)11月の総選挙で国民に約束したマニフェストを基本とすること、(2)深まる財政危機に対する民主党の姿勢を明確にすること、(3)年金改革、三位一体改革など主たる改革課題に対する考え方を可能な限り予算という数字で示すこと――などの基本方針を議論し、概ね合意に達し、その後の議論の後、2月9日に決定・発表した。
民主党予算案でマニフェスト全項目を予算化
2回目となった民主党予算案のポイントは、前回の「税金の使い道を改める」という基本方針を踏まえつつ、(1)マニフェストに掲げた全項目を予算化、(2)財政健全化を明確化、(3)セーフティネットの強化、(4)125万人の仕事をつくる、(5)地方へ18兆円の財源を移譲する――などである。
(1)では、マニフェストで掲げた「高速道路無料化」が財政的に可能であることを具体的に示し、また30人学級推進、中小企業予算の大幅増、能力開発訓練制度の創設などマニフェストに掲げた全項目を予算化した。
(2)では、公共事業の国直轄事業や特殊法人等に対する補助金等の3割削減など12兆円の大胆な歳出削減を行うことによって、マニフェストに掲げた事業をすべて実施した上で、政府案に比べて1.2兆円の国債発行額減を実現した。
(3)では、今国会の最大の課題となった年金改革について、政府が増税によって実施しようとしている基礎年金国庫負担率の引き上げを、徹底した歳出の見直しによって増税なしでも実現できることを明示した。そのほか、サラリーマンの医療費窓口負担の2割への引き下げ、失業時の健康保険料負担軽減、トライアル雇用やワークシェアリングに対する支援強化など、多方面のセーフティネットの強化を盛り込んだ。
(4)では、昨年に引き続き潜在需要が眠っている分野に財政資金を重点的に投入することにより、国民生活の質を高めつつ、仕事をつくるという基本方針に則り、グループホームの増設、学童保育の拡充、緑のダム事業(森林再生による治水対策)などを予算化した。
(5)では、昨年の民主党予算及びマニフェストに引き続き、現在約20兆円ある補助金のうち、国の関与が不可欠なものを除外した約18兆円について、地方がその使途を自由に決められる「一括交付金」とすることを盛り込んだ。
以上の民主党予算案を、予算審議の冒頭において、菅代表及び枝野政調会長(いずれも当時)が国民に説明した。
2004年度予算への対応
政府予算は、財政法で禁止されている赤字国債の発行を特例的に認める「公債発行特例法」の中に、年金保険料を社会保険庁の事務費に流用する項目を忍ばせたり、予算審議中に公表した「改革と展望」の中でプライマリーバランス黒字化を達成するとしながら、その前提となっている消費税の引き上げを隠蔽するなど、ごまかし、まやかしばかりが目立った。よって、民主党は、明確に対案を示しつつ、政府予算には反対した。
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