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国会レポート2005

第2章 『次の内閣』の活動

15.政治改革

「政治とカネ」の問題を徹底追求

 2004年、日歯連による自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件など「政治とカネ」をめぐる問題が次々と明らかになり、国民の政治に対する不信が広がった。

 民主党は、 161回臨時国会冒頭から、ヤミ献金事件の真相解明を図るべく、橋本元首相など関係者の証人喚問を要求した。しかし、小泉首相が他人事の態度に終始したこともあり、証人喚問は行われなかった。

 結局、この問題では、 2004年11月30日に非公開の衆議院政治倫理審査会が行われただけで、そこでの橋本元首相の弁明も、真相解明にほど遠く、旧橋本派の繰越金が実態とかけ離れている事実が判明したこともあり、政治不信は頂点に達した。

「迂回献金禁止法案」を提出

photo 民主党は、日歯連事件で問題となった事柄に法的規制をかけて、政治資金の透明化を図るために、「政治資金規正法等の一部を改正する法律案」を 161回臨時国会に提出した。内容は、(1)いわゆる迂回献金の禁止規定の新設、(2)政治団体間の寄附の金額的制限の設定、(3)政治資金収支報告書において1件150万円以上の不記載を重過失とみなして罰すること、(4)政党本部・政治資金団体の収支報告書に係る外部監査の義務づけ、(5)政治団体間の寄付の銀行振込み等の義務づけ、(6)収支報告書への残高の内訳記載、(7)インターネットによる報告書の公開と報告書の保存期間の延長、(8)企業・団体献金を受けることのできる政党支部数の制限など、政治資金の透明化を図るものである。

 一方、自・公与党も 161回臨時国会に「政治資金規正法の一部を改正する法律案」を提出したが、肝心の迂回献金禁止がないなど、「政治とカネ」の問題解決にまったく応えていない極めてお粗末な内容だった。

 国会審議において、民主党は与党に対して、迂回献金の禁止規定を盛り込むよう強く求めたものの、自民党は与党案がベストだと強弁した。結局、 162回通常国会では衆議院解散により、両案とも審議未了、廃案となった。

 そして総選挙後の 163回特別国会において、民主党及び与党は前国会で廃案となった法律案を再提出し、最終的に、民主党案は否決され、与党案が可決、成立した。

 民主党は、引き続き政治資金の透明度を高め、政治に対する国民の信頼回復を図るために、政治改革に関するあらゆる課題に取り組んでいく。

政治団体本部による支部の
解散届出が可能に

 163回特別国会において、衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長より「政治資金規正法の一部を改正する法律案」が提案され、可決、成立した。

 現行法では、政治団体支部の解散届を提出できるのは支部自身だけで本部は届出ができないことになっているが、これを、本部も支部に代わって支部の解散届を提出できるようにする改正内容である。

越県合併の公選法改正に賛成

  162回通常国会において、政府より「公職選挙法の一部を改正する法律案」が提出され、全会一致で可決、成立した。

 内容は、 2005年2月に長野県山口村が県境を越えて岐阜県中津川市に編入されたことにより、旧山口村の衆議院議員の選挙区を長野4区から岐阜5区に、比例代表ブロックを北陸信越から東海に移すものである。法律改正をしなければ、旧山口村の有権者は、参議院選挙や知事選挙では岐阜県が選挙区となるが、衆議院議員選挙だけ長野県が選挙区のままというおかしな構図になるためだった。

 現行法は、衆議院の選挙区について、市町村合併後も従前の行政区域のままとしており、区割りを見直す場合は、衆議院選挙区画定審議会が 10年に1度の国勢調査に基づき区割り案を作成、総理大臣に勧告、政府が公選法改正案を提出し、国会で決定されることとなっている。また2002年の公選法改正により、区割り見直しでは、市区町村を分割しないのが原則ともされている。

 民主党は、本改正案は是としつつ、「平成の大合併」に伴う行政区画変更と選挙区画の関係や、公選法が抱える課題について問題提起した。

参議院の選挙制度改革

 2004年1月、最高裁は2001年施行の参議院通常選挙における一票の格差について判決を下した。それは、5.06倍の格差を合憲としつつも、15名中6名の判事が「違憲」との反対意見を付し、合憲と判断した9名中4名も漫然と現状が維持されたままであれば違憲の余地が十分にあるとの補足意見を付したものだった。

 民主党は、この判決を重く受け止め、 2004年11月、党内に「参議院選挙制度改革検討委員会」を設置し、一票の格差是正を図るための検討を進めた。2005年7月には常任幹事会で「参議院選挙制度改革の基本的考え方について」が承認され、その方針に基づいて議論を進めることとされた。