新潟中越地震でも焦点に
2004年10月に発生した新潟中越地震では、多くの個人住宅が被害を受け、その再建が大きな問題となった。自然災害による被災者が被害から回復するためには、生活の基盤たる「住まい」の再建は欠かせない。また被災地における住宅再建は、単に個人の問題のみにとどまらず、コミュニティー全体の復興の点からも重要である。しかしながら現行の「被災者生活再建支援制度」では、生活再建支援金(最大300万円)のうち、住宅再建支援に関しては、居住安定経費(最大200万円)の名目のもとガレキ撤去など周辺経費のみに支援対象が絞られており、住宅本体の再建に用いることができない。
そのため民主党は、
161回臨時国会において、住宅の建築費、購入費又は補修費にも生活再建支援金を用いることができる内容を盛り込んだ「被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案」を提出した。しかし、与党は「私有財産である住宅に公的支援はできない」との大義名分を崩さず、廃案となった。
バージョンアップした法案を再提出
しなしなお全国各地で、住宅再建支援制度の確立を求める声が根強く上がっている。民主党はこうした声に応え、支援金増額や支給要件をさらに緩和する改正案を
162回通常国会冒頭、衆議院へ提出した。また参議院にも同内容の法案を提出したが、与党の抵抗により、両案とも再び廃案となった。
|
犯罪被害者等基本法の誕生
民主党は、犯罪被害者の意思の尊重と権利保護が図られる総合的な法律の制定が必要であると考え、
2000年の147回通常国会以来、5度に渡り「犯罪被害者基本法案」を提出してきた。民主党の取り組みが契機となり、161回臨時国会において、「犯罪被害者等基本法」が、衆議院内閣委員長提案により、全会一致で可決、成立した。
その内容は、国・地方公共団体などの関係機関や民間団体等の責務等を定め、犯罪被害者等への具体的施策として、(1)精神的ケア、(2)給付金の充実、(3)捜査・公判段階の進捗状況の情報を提供する制度の整備、(4)刑事手続きへの参加、(5)民間団体への支援の充実などが盛り込まれている。
支援対象者の拡大を実現
同法には、民主党が主張した(1)支援対象者の拡大(ストーカーやDV、児童虐待や、犯罪に準ずる行為の被害者等)、(2)国や地方公共団体による弁護士・医師等の紹介、(3)海外情報の収集、(4)施策の策定過程の透明性確保、(5)犯罪被害者等施策推進会議への有識者(被害者・支援者等)の参加拡大等が盛り込まれた。
被害者や支援者の声を反映
今後は、民主党としても、基本法で具体化した基本的施策をもとに、必要な法整備等を検討していく。また、犯罪被害者等基本計画の策定段階も含め、被害者や支援者の声が十分反映されるよう取り組みを進めていく。 |