コンテンツを再生/利用するにはプラグインが必要です。

民主党サイトアーカイブ

現在のウェブサイトはこちら
2011年6月22日以前の情報その他で、新サイトに盛り込んでいないデータを掲載しております。
アーカイブTOP > アーカイブス(過去の政策 その他) > 国会レポート > 民主党国会レポート2005
国会レポート2005

第3章 焦点となった法案への対応

1
会社法
日本の会社法制の現代化
 
1
刑事施設・処遇法
再犯防止機能の強化をめざして

投資家・株主の立場で修正を実現

  162回通常国会に政府から提出された「会社法案」は、有限会社の廃止による株式会社への一本化、最低資本金制度の撤廃、企業再編の柔軟化、会計参与制度の創出、敵対的買収への対応策の導入等を内容としていた。

 民主党は、政府案が企業経営の自由度を高める一方で、投資家・株主保護を後退させると判断し、衆議院で修正を要求し、(1)株主が経営者の責任追及する権利を確保するために、株主代表訴訟を過度に制限する要件を削除する、(2)総会屋に利益供与した取締役の責任が従来の商法より軽減されないよう、直接かかわった取締役は無過失の弁済責任を負う、(3)株価操縦やインサイダー取引などの悪用を防ぐため、新株発行類似手続を経ない自己株式の売却はできないという条文修正を実現した。

また、親子会社などに関する企業結合法制の整備の検討について附帯決議を付した。

擬似外国会社に関する問題

 参議院では、擬似外国会社に関する規定により、本店が外国にあり、日本で営業している外資系証券会社や、特別目的会社を利用し、証券化を行っている国内金融機関の取引が禁止されるとの懸念が広まった。民主党は、金融市場への無用の混乱を防ぐため、この規定を削除する修正案を提出した。修正案は否決されたが、「外国会社に与える影響を踏まえて必要に応じて見直す」との附帯決議を付し、民主党は政府原案に賛成した。

 わが国の行刑施設は、明治 41年に制定された監獄法によって運営されてきたが、政府はこれを全面的に改正する「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律案」を162回通常国会に提出した。政府案は、受刑者の権利義務や職員の権限を明文化するなど、評価すべき点はあるものの、わが国がどのような刑事司法をめざすのか等、理念が明確ではなかった。

刑事施設を一斉調査

 おりしも性犯罪者の再犯事件が起こり、刑事施設における矯正教育の再犯防止効果に対する関心が高まった。民主党は、性犯罪者への処遇プログラムを実施している全国 13ヶ所の刑事施設を一斉調査し、この結果、人的・物的な制約のために矯正教育が十分に行われておらず、受刑者も刑事施設の職員も過酷な環境におかれている実態が明らかになった。

矯正機能を向上させる修正を実現

 民主党は、調査結果を踏まえて政府案の修正を要求し、与党と協議した結果、(1)法律の目的に、受刑者の状況に応じた処遇を行う旨の文言を加えること、(2)刑事施設の長が刑事施設視察委員会の意見を受けて講じた措置について公表すること、(3)適正かつ効果的な矯正処遇を行うために刑務官に必要な研修や訓練を行うこと、(4)施行日から 5年以内に法律の施行状況を検討すること、という修正を実現させた。

 さらに、過剰収容の解消や職員の執務状況の改善に努めることなどについて、附帯決議によって担保し、法案は可決・成立した。