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国会レポート2006

第二章 『次の内閣』の活動

13文部科学
焦点課題・焦点法案


日本国教育基本法案
新しい視点からの教育

 わが国の教育現場は様々な問題に直面している。すなわち、人生のスタート段階における格差問題、いじめや不登校、学力低下の問題、さらには昨今、小中学生をめぐる悲惨な事件も続発している。民主党は、こうした教育現場の問題を具体的に解決・改善するための第一歩として、164回通常国会において「日本国教育基本法案」を取りまとめ、国会に提出した。

物質文明偏重から新文明の創造へ

 民主党案では、明日を担う人材を育てることこそが最重要課題であると位置づけ、新たな文明の創造を希求するという目標を明示し、未来を担う人間の育成について教育が果たすべき使命の重要性を盛り込んだ。

 物質文明偏重が、破綻をきたしている今、コミュニケーションや知恵や文化を重視する情報文化社会の創造を目指し、その担い手を育成するために重要なアイデンティティーの醸成を図ることが求められている。そういった問題意識のもと、法案の前文において、教育の使命として、人間の尊厳と平和を重んじ、生命の尊さを知り、真理と正義を愛し、美しいものを美しいと感ずる心を育み、創造性に富んだ、人格の向上発展を目指す人間の育成であるとし、同時に、日本を愛する心を涵養し、祖先を敬い、子孫に想いをいたし、伝統、文化、芸術を尊び、学術の振興に努め、他国や他文化を理解し、新たな文明の創造を希求することを明記した。

民主党案の特徴

 民主党は、「学ぶ権利の保障」を盛り込み、同時に、現行法では明らかになっていない、学校現場の一義的責任は、保護者、地域住民、学校関係者からなる学校理事会が自主・自立的に負うこととし、普通教育の最終的な責任は、国が負うということを明記した。

 さらには、宗教的感性の涵養・宗教の意義の理解を深め、生きる意義と死の意味を考察することを教育上重視することを明記し、もう一つの特徴としてネット社会がもたらす影響の光と影を考慮する教育に焦点を当てた。また、「対GDP比何%確保」という形での教育予算の確保、幼児教育や高等教育無償化の漸進的な導入を明示した。

国民的な議論を

 民主党は、教育政策をコアな政策分野と位置づけてきた。民主党は今後、衆参両院に調査会を設置することによる十分な審議を求めていく。さらには、全国47都道府県での公聴会の実現を目指し、国民的な議論を巻き起こしていく。

活動の経過

次世代燃料電池車に試乗 文部科学部門では、教育基本法など教育問題をはじめ、子どもの安全対策や、科学技術政策など幅広い課題に取り組んだ。

 164回通常国会での政府提出法案については、様々な観点から検討を深め国会審議に臨んだ。特に、国会最終盤で焦点となった「教育基本法」の問題では、教育基本問題調査会との合同会議を精力的に開催して「日本国教育基本法案」を策定、国会に提出し、委員会審議においても堂々の論陣を張り、政府案に対峙した。

 子どもの安全対策については、子ども政策調査会などと連携して「子どもの安全合同会議」を設置し、「学校安全対策基本法案」など議員立法を提出するとともに、性犯罪防止対策や学習塾に通う子どもの安全などの問題に取り組んだ。

 また、経済産業部門と共管で「科学技術政策合同会議」を設置し、視察を行うなど民主党の科学技術政策について議論を深めた。

教育軽視・国民軽視の政府の「教育基本法案」

 164回通常国会の会期が残り1ヶ月余となった4月28日、政府より「教育基本法案」が急遽提出された。これは、2003年5月の政府・中央教育審議会答申以降、与党の一部議員だけで密室協議してきた内容が政府案となったもの。さらに与党は、政府案を通常国会中に成立させようと、衆議院に「教育基本法に関する特別委員会」を強引に設置した。

 民主党は、教育基本法のような国の根幹に関わる重要法案を国会最終盤に提出する政府・与党の姿勢を、教育軽視、国民軽視だと批判した。また特別委員会設置についても、常任委員会制度の否定であり、憲政ルール無視も甚だしく、拙速な審議は避けるべきだと主張した。

民主党の「日本国教育基本法案」

文部科学部門・教育基本問題調査会合同会議を開催 他方で、民主党は、教育の基本問題について、2000年に教育基本問題調査会を設置し、学校現場、家庭、地域などが抱える問題を直視して、国家百年の計にふさわしい、現場の声に応えうる考えをとりまとめるべく議論を続けてきた。2005年4月には同調査会の作業部会報告をまとめ、2006年4月、その報告をもとに民主党の教育基本法案をまとめるべく、調査会に検討会を設けて連日連夜精力的な議論を行った。

 民主党は、5月23日に「日本国教育基本法案」を衆議院に提出し、政府案と並んで6月7日まで計49時間余の委員会審議を行ったが、民主党案及び政府案は継続審議となった。

 今後とも、衆参両院に教育問題を議論する調査会を設置することや、全都道府県での公聴会開催を求めながら、国民的議論を巻き起こし、教育の議論に取り組んでいく。

学校安全対策

 近年、学校内外における小学生殺傷事件が相次いで起こり、子どもの安全対策が喫緊の課題となっている。そこで民主党は、164回通常国会において、子どもの安全対策の第一弾として「学校安全対策基本法案」を参議院に提出した。法案の内容は、地域の特性、学校の実情や児童生徒等の年齢・心身の状況に適切に配慮しつつ、学校安全に係る被害(災害、不慮の事故、故意の犯罪行為、学校施設設備からの有害な物質の発生)について、被害の未然防止・拡大防止、通常の学校生活の回復、被害救済を図るもの。本法案は164回通常国会閉会に伴い、審議未了、廃案となった。

学校施設の耐震化促進のために

 学校は、子どもたちの学習の場、生活の場であると同時に、災害時における地域住民の緊急避難場所としても活用されている。その公立小中学校施設の耐震化については、耐震性が確認された建物が全体の半数に満たない状況にあるなど、学校施設耐震化の推進が喫緊の課題となっている。

 そこで、民主党は、公立小中学校施設の耐震化を促進するため、「公立の小中学校等における地震防災上改築又は補強を要する校舎等の整備の促進に関する臨時措置法案」(2002年155回臨時国会提出法案を一部修正)を参議院に提出したが、審議未了、廃案となった。法案の内容は、(1)公立小中学校等の耐震診断を義務化し、経費は全額国庫負担とする、(2)5年間に期間を限定し、耐震改修の国庫補助率をかさ上げする、というもの。

辻褄合わせの義務教育国庫負担法

 164回通常国会において政府は「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案」を提出した。小泉内閣の三位一体改革に名を借りた、ビジョンなき義務教育費改革を進めるもので、内容は、(1)義務教育費の国庫負担割合を2分の1から3分の1に引き下げる、(2)都道府県が給与を負担、任用している小中学校等の教職員について、市町村も給与を負担して任用できることとする、(3)耐震関連経費を中心に一括して交付金を交付する制度を創設する、などであった。

 これについて民主党は、(1)国庫負担割合を3分の1に引き下げるのは、単なる財政の辻褄合わせに過ぎない、(2)地方への権限移譲が行われない、(3)県費負担教職員と市町村費負担教職員が同じ学校に併存することで、現場が混乱する可能性がある、(4)学校施設の耐震化は緊急の課題にも関わらず、政府の認識は甘く実効性に乏しい、との理由から、政府案に反対した。

「よのなか科」を体験

「よのなか科」を体験 民主党は、2006年2月、格差問題に関連して東京都内の小中学校や児童養護施設の視察を行い、また4月には、2003年より初の民間人校長を迎えている東京都杉並区立和田中学校の視察を行うなど、現場の声を政策立案に積極的に生かした。とくに、和田中学校の視察では、参加議員が生徒のグループに入って、同中学校の特徴的な「よのなか科」の授業を体験した。

障がいをもつ子どもの学びを保障

 政府は164回通常国会に「学校教育法等の一部を改正する法律案」を提出した。内容は、児童生徒等の障がいの重複化に対応するため、(1)盲学校・聾学校・養護学校を特別支援学校に一本化し、(2)盲・聾・養護学校ごとの教員免許状を特別支援学校の教員免許状とする、などというもの。民主党は、政府案がインクルージョン(統合教育)に向けた教職員配置や普通教員免許制の改革、特別支援教室の整備拡充などで不十分であるとしながらも、統合教育に向け一歩前進と評価し、今後の施策充実等について附帯決議で確認した上で、法案に賛成した。