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国会レポート2006

第二章 『次の内閣』の活動

12経済産業
焦点課題・焦点法案


官製談合防止法案
役人の談合関与にメス
 
電気用品安全法の経過措置の一部終了
PSE制度の抜本的見直しを

 164回通常国会の冒頭、防衛施設庁による官製談合事件が発覚した。民主党は、163回特別国会に「官製談合等の防止のための刑法等の一部を改正する法律案」を提出したが、審議未了・廃案となったため、刑罰をより強化して同法案を再提出した。本法案は、刑法について、談合罪の対象範囲を拡大し、公務員の談合関与を処罰対象にするとともに、法定刑を現行より引き上げ、3年以下の懲役としたうえ、官製談合防止法について、公正取引委員会の改善措置要求の対象となる特定法人の範囲の拡大や、入札談合等に関与したとされる行為の範囲の拡大等により、官製談合の防止強化を図るものである。

政府・与党は法案審議に応じず

 官製談合を放置し続けてきた与党は、民主党案が提出された後、ようやく問題を認識し、官製談合防止法に罰則を規定する内容の法案を提出したため、両案の一本化が検討された。しかし、与党は民主党案の内容を受け入れず、与党案をそのまま共同提案したいとの立場をとったため、一本化は物別れに終わった。また民主党は、国会の場で質疑を行うよう、再三要求したが、与党はかたくなに応じなかったため、両案とも継続審議となった。

 1999年に電気用品取締法が電気用品安全法へと改正され、2001年に施行されたが、政令により、家電製品等に安全性を保証するPSEマークのない製品の一部販売経過措置期間が2006年3月末で終了することになっていた。しかし、経済産業省の周知徹底が遅れたため、中古家電や楽器等の販売業界が大混乱に陥った。その上、新制度の施行を目前にしながら経済産業省が法の解釈・運用を二転三転させたため、混乱に一層の拍車がかかり、大きな社会問題となった。

電気用品安全への取り組み

 この問題に対し民主党は、販売経過措置期間を1年間延長する旨の改正案を作成するなどの対策を検討したが、経済産業省の最終的な法解釈・運用の発表を受け、緊急避難的ではあるが、当面は中古家電販売業者等も今まで通り営業ができるだろうと判断し、しばらく経緯を見守ることにした。その後、PSE問題対策プロジェクトチームを設置し、引き続き対応を検討したが、緊急措置的な改正案は提出しないこととし、今後PSE制度を含めた電気用品に関する問題全般に渡って再検討し、法改正をも視野に入れた抜本的な対策を協議・策定することを確認した。

活動の経過

 経済産業部門は、法案対応や経済問題全般にかかわる問題について部門会議で議論を行う一方、エネルギー問題や知的財産権などについては、部門内に戦略委員会を設置し、専門的な論議を深めた。また、他部門との横断的な対応が必要な問題については、まちづくりプロジェクトチーム、PSE問題対策プロジェクトチーム、科学技術政策合同会議をそれぞれ設置し、積極的に議論を展開した。

 法案対応や検討課題の審議の際には、日本経済団体連合会をはじめとする経済団体や各種団体、有識者等との意見交換を行った。

中小企業対策を拡充

衆議院本会議にて、まちづくり3法改正を審議 「2006年度民主党予算案」では、中小企業対策費として1,250億円、自営業廃業者等のための教育訓練費用として2,500億円を計上し、中小企業対策の必要性を訴えた。

 164回通常国会に政府は、中小企業対策関連法案として、「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律案」「中小企業等共同組合法等の一部を改正する法律案」を提出した。これらは、中小企業対策として、決して十分ではなかったが、中小企業が担う汎用的な技術について研究開発等を行う企業に支援を行うことや、組合設立時に必要な発起人数を引き下げること等を含め、民主党が以前から提言していた内容も盛り込まれていた。そのため、不十分な点については、国会質疑で政府答弁を確認した上で賛成し、両案は成立した。

 また、政府提出の「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する法律案」など、まちづくり3法改正案への対応として、まちづくりPTを設置し、地域・コミュニティーの再生を図るため、精力的な議論を行った。(詳細→

民主党の主張で不要な法律が廃止に

 「工業再配置促進法」は1972年に制定され、移転促進地域(過度に工業が密集している地域)から誘導地域(工業の集積の程度が低い地域)への工業の再配置を目的としていたが、現在は企業が工場の立地条件を選ぶ状況になっていることや、工場等の立地を制限していた工業等制限法も廃止されるなど、法律の必要性がなくなっていた。

 「民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法及び輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法」は、1986年に制定され、民間事業者の能力を活用した産業基盤施設の整備を促進することにより、内需振興による国民経済の発展や輸入拡大等による国際経済交流の促進を目的としていたが、事実上この法律に基づく事業はなくなっていた。

 このため民主党は、これら役割を終えた法律は、もはや不要であることを国会の審議において主張してきた。政府もこれを認め、164回通常国会に両法律を廃止する法律案を提出、全会一致の賛成により、成立した。

経済連携の推進

 政府提出の「経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律の一部を改正する法律案」は、マレーシアとの経済連携協定締結にあたり、メキシコとの協定に基づく特定原産地証明書の発給について、一般法化するものである。民主党は、FTA/EPAを積極的に推進する立場から賛成し、成立した。

エネルギー問題への取り組み

六ヶ所原燃核燃料サイクル施設を視察


参議院経済産業委員会にて、知的財産権について審議

 エネルギー戦略委員会では、有識者や各団体からのヒアリング・意見交換を行ったほか、東海村の原子力研究開発機構や、六ヶ所村の日本原燃の視察を行うなど、現地に足を運び、実情を踏まえた上で、精力的に議論を展開した。地球温暖化対策に関連して、政府は「独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案」を提出した。これは、京都メカニズム活用のため、クレジットの取得業務を独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に委託するとともに、必要な費用の一部を、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計から支出するための根拠を規定するもので、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」の関連法案である。(詳細→

 京都議定書目標達成に向け、欧州各国は既にクレジット調達を進めており、わが国もクレジット取得制度を早急に構築する必要があることから、民主党はこれらに賛成し、両法案は成立した。

知的財産権戦略への取り組み

 知的財産権戦略委員会では、知財立国実現に向け、有識者からのヒアリングや勉強会を精力的に開催した。

 政府は、知的財産関連法案として「意匠法等の一部を改正する法律案」「独立行政法人工業所有権情報・研修館法の一部を改正する法律案」を提出した。意匠法等改正案については、内容が不十分ではあるものの、現状より知的財産が保護・強化されるという点から賛成し、成立した。しかし、独立行政法人工業所有権情報・研修館法改正案については、同法人が行っている特許に関する業務は国際条約に基づくものであり、本来、国の責任で行うべきであること、また非公務員化によって、見かけ上の公務員削減を行いたいとの政府の意図が明白であったため、民主党は反対したが、法案は成立した。

海洋権益の保全

 民主党が163回特別国会に提出し、継続審議になっていた「海底資源開発推進法案」「排他的経済水域等における天然資源の探査及び海洋の科学的調査に関する主権的権利その他の権利の行使に関する法律案」は、164回通常国会で与党案も提出されたため、両案の審議を政府・与党に強く求めたが、審議は行われないまま、再度継続審議となった。

 また、東シナ海のガス田開発問題については、外務防衛部門との合同会議を開催し、日中協議における政府の対応を厳しく追及した。