民主党は、在日米軍再編は、わが国の安全保障の根幹に関わる極めて重要な問題であり、国民に大きな負担を強いるものであることから、国民間の議論を深め、理解を得ることが必須であるとし、政府に説明を求め、議論を進めてきた。しかし政府は、多くの問題点を残したまま説明責任を果たさないことから、民主党は、法案に反対した。
今後の取り組み
民主党は、(1)在日米軍再編に要する経費総額、(2)再編交付金の交付に際し自治体の受け入れ表明を条件とすること、(3)交付金にかかる事項に政令委任が多いこと、(4)在沖米海兵隊が本国に戻るための移転経費をわが国の税金で負担すること、等について政府に見直しを求めたが、政府は要求を無視して採決を強行した。これは、日米同盟の最大の基盤である国民の信頼を損なうものである。
民主党は、政府・与党の国会軽視、米国重視の姿勢、主体性の確保、納税者の視点とシビリアン・コントロールを果たしていく見地、負担軽減の米軍再編の実現等の問題点を追及していく。 |
政府は、166回通常国会にイラク特措法の期限を2年延長する法案を提出した。民主党は、イラクに対する武力の行使が正当性を有していないこと、いわゆる非戦闘地域の概念が虚構の概念であること等の理由から、イラク特措法の法的枠組みが完全に破綻していること、及び、イラクにおける自衛隊の部隊等による対応措置に関する政府の情報開示が不十分であること等に鑑み、イラクへの航空自衛隊派遣を直ちに終了させるよう「イラク特措法廃止法案」を再提出した。
大義なきイラク特措法延長に反対
民主党は、航空自衛隊の活動がイラク復興に資する活動かどうか大きな疑念がある上、政府が説明責任を全く果たさないことから、政府案に反対したが、民主党案は否決され、政府案が成立した。
一方で、イラク戦争の大義とされた大量破壊兵器はついに発見されず、フセイン政権とテロ組織とのつながりも証明されなかったため、イラク戦争を支持した当時の政府判断について検証し、責任を総括することや、シビリアン・コントロールに資するよう必要な情報開示を行うこと等を政府に求めた。 |