海洋法制については、民主党が先行して検討を進め、163回特別国会に「海底資源開発推進法案」、「排他的経済水域等における天然資源の探査及び海洋の科学的調査に関する主権的権利その他の権利の行使に関する法律案」(海洋権益2法案)を提出、継続審議となっていた。与党も164回通常国会に、民主党案の一部を具体化した内容の「海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案」を提出した。また、民主党は、基本法制定を含む法整備に向け、与党と協議を行うとともに、海洋法制プロジェクトチームを設置し、改めて海洋法制のあり方について検討した。
民主党主導で「基本法」成立
「海洋基本法案」は、国連海洋法条約等に基づく国際的協調の下、海洋立国の実現を図るため、海洋に関する基本理念や海洋基本計画の策定、総合海洋政策本部の設置、海洋政策担当大臣の設置等によって、海洋に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものであり、民主党案に基づいて、海洋資源の開発及び利用の促進(17条)、排他的経済水域等の開発等の推進(19条)等が盛り込まれた。
与党の「海洋構築物等に係る安全水域の設定等に関する法律案」についても併せて賛成することとし、両法案は衆院国土交通委員長提案で成立した。 |
政府・与党は、165回臨時国会に「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」を提出した。政府案は、(1)出資法の上限金利の引下げ、(2)貸金業への参入条件の厳格化、(3)行為規制の強化、(4)総量規制の導入、等を主な内容とするものであったが、多重債務問題の解決には不十分な点があると同時に、NPOバンクのように公益に資するものまで規制してしまうという問題点を抱えていた。
修正案を提出
政府案の問題点を解消するため、民主党は、(1)グレーゾーン金利の完全解消、(2)無人契約機を介した安易なサラ金利用の抑制、(3)NPOバンクのような小規模・非営利組織への財産的基礎要件を適用除外、等を主な内容とする修正案を提出したが、否決された。
しかし、政府案の基本的な方向性は民主党のかねてからの主張と同じであり、(1)上限金利引下げの早期実施、(2)ヤミ金対策の強化、(3)無人契約機の自主規制、(4)テレビCMの自主規制、等を主な内容とする附帯決議を付し、賛成した。 |