菅直人総理(代表)インタビュー

社会保障と赤字財政が閉塞感の原因
勇気を持って改革に取り組む

 菅直人総理(党代表)はインタビューで、社会保障と税制の一体改革について「これまでの政権で先送りされてきた政策であり、勇気を持って取り組む。これはと民主党の歴史的な役割」だと述べるとともに、「国民の皆さんが一緒に考え、一緒に行動してもらえるかが改革成功の最大の鍵」だとし、改革議論への国民の主体的参加を呼びかけた。

――なぜ政権交代がおきたのか。

 やはりこの20年ほど、日本全体が経済の成長も止まる、いろんな意味で閉塞感がつのる、若者も元気を失う。
- 閉塞感を何とかしてほしいというのが政権交代の原動力 -
 そういう中で、やはりこの日本の閉塞状態をなんとか打ち破ってもらいたいという、私は国民の皆さんの素直な気持ちが1年半前の政権交代につながったその最大のエネルギーだったと思うんですね。


――政権交代しても閉塞感があるが……。

 ちょうどあのリーマンショックの直後に政権交代で、非常に経済が落ち込んだ時でした。
- 景気は確実に上向き、失業率も改善 -
 それから比べて今だんだんと経済は立ち直りつつあります。例えば失業率も一時期は5・5%くらいいきましたが、最近の数字では4・9まで戻りました。そういう点ではまず経済を安定化し、いよいよ今度は経済を成長させるということです。

――景気が上向いているのにまだ閉塞感があります。

- 閉塞感の原因は社会保障と税制の抜本改革が先送りされてきたこと -
 あとは社会の問題です。やはりなんといっても社会保障とそれから財政の問題です。これは簡単じゃありません。まさにこれから勇気をもって取り組まなきゃいけない、この社会保障と税制の一体改革。
 これはこれまでの政権ですべて先送りされてきた政策ですから、これについて勇気を持って取り組む。これは私は民主党の歴史的な役割だと、こう思っています。


――社会保障改革についてはどういう議論をするのか。

 例えば今までは主に医療と年金と介護という、お年寄りの福祉を中心に議論してきましたが、もう少子高齢化、まして人口減少社会に今突入している。
- 人口減社会では若者世代の子育て支援や雇用政策が重要 -
 そうするとやはり子どもを育てる、あるいは子どもを産む、そういう分野にも力をもっと入れなきゃいけないし、それから特に雇用ですね。今、この10年20年でいちばん壊れたのが雇用です。いわゆる非正規雇用で給料が非常に低くて、それがまた、結婚しない人が増えて少子化につながる。
 そういう点では、そういうことを一つひとつ改革案をきちっと作って新たな方向に進み出さないと、私は日本の将来はきわめて危ないと思っています。

――社会保障改革を「ねじれ国会」で実現できるんですか?

- 国民一人ひとりが参加する議論が必要 -
 ただ、あえて言うと、この改革は、一人の政治家、あるいは一つの政党がやれるんではなくて、国民がその気にならなければやれないんです。やっぱり国民の皆さんが一緒に考え、一緒に行動してもらえるかどうかが、私はこの改革が成功するかどうかの最大のカギだと思ってますので。ぜひ国民の皆さんにも、しっかりと当事者として議論に参加をしてもらいたいなと、こう思っています。


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