ムダを無くし官主導を改める

前総務大臣政務官 階 猛衆院議員

――政権交代の意義は。

 官僚主導を改めることを最重点課題にしていた。政務官の仕事は、官僚主導を政治主導に変えることが役割だと考えて天下り廃止や独立行政法人の見直しに取り組んできた。


天下りあっせんを
ただちに廃止

――民主党は野党時代に天下りあっせんは無くすと言っていたが、無くなったのか。

 天下りあっせんの廃止はすぐにやった。鳩山前総理が閣議で発言し、社保庁廃止に伴うやむを得ない措置を除き、天下りあっせんはゼロにした。今後、独立行政法人などに公務員はあっせんしない。法改正も必要なく、迅速に成果が出せた。

――公務員のやる気がなくなるのでは。

 ある程度の年齢になったら役職定年になる制度。また、専門知識を活かして、例えば政策立案スタッフとして政務三役をサポートする専門スタッフ制度。さらに、大臣命令で、民間やNPO、特殊法人などを含め、いろいろな場で専門知識を活かす現役出向制度。これは天下りと違い、大臣の管理下にあり、役所への復帰が前提のため、退職金の二重取りも防止できる。これらの制度を実行していこうと考えている。

――そもそも、天下りとは何が問題だったのか。

 天下りのために法人を作って補助金等をつぎ込み、税金をムダに使っていた。また、民間企業に天下りを押し付けることで、不正の温床となる官民の慣れ合い構造が生じていた。

――自民党政権ではできなかったが、民主党ではすぐにゼロにできたのはなぜか。

 自民党政権では政治家と官僚の関係が、持ちつ持たれつだった。民主党は、官僚との間に不要なしがらみはないからできた。


様々な収穫があった
事業仕分け

――事業仕分けはどういう意義があったのか。

 税金の使い方で、今まで明るみに出なかった問題点や、ムダが浮き彫りになった。非常に意味があった。

――民主党政権で、ムダづかいは無くなったのか。

 3兆円以上ムダを削減した。しかしこれで終わりではなく、やり方も改善していく。今回の仕分けは、概算要求後に仮定に基づいてやっているが、決算直後に仕分けをし、それに基づいて予算を編成するほうが、より有効だと思う。

――独立行政法人を仕分けした結果何がでてきたのか。

 ため込んでいた埋蔵金が出てきた。使う際は大臣協議が必要だとか、5年ごとにしか返却できない等の国庫への返却規定を変えた。

――どんな埋蔵金があったのか。

 例えば塩事業センターなどは、500億円もため込んでいたので、400億円返却させた。

――400億円も国庫に返却して、事業は続けられるのか。

 続けられる。現実的に計算すれば、5分の1でできる。そのため、400億円を国庫に返却した。


公務員制度改革は
何としてもやる

――公務員の人件費2割削減はどうなったのか。

 現在工程表を作っている。給与だけを2割下げる訳にはいかないので、給与を下げるとともに人員も削減し、給与以外の手当、退職金や年金も削減する。全体を見て政治家が指示を出し、しかるべき時期に公表する。

――公務員から抵抗があってできないのでは。

 民間であれば、経営に失敗すれば給料が下がるどころではない。危機的な財政状況を考えれば、ご理解、ご協力をいただけると思う。
 民主党政権としては、何としても改革しなくてはならない。財政状況が危機的な中、国民の皆さんに負担をお願いするうえで、真っ先に身を切らなくては理解を得られない。政権の意思として2割削減は絶対的な至上命題と考え取り組んでいる。


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