地方議会改革で地域主権改革加速
小川淳也 前総務大臣政務官

役所勤めをしていて、与党の議員たちが地元に利権を引っ張るのを見てきたので、こういう古い政治は変えなくてはいけないと思った。
――政権交代を果たして地方の政治は変わったか。ひもつき補助金の一括交付金化が大きく前進した。これまで地方の首長の仕事は中央に陳情することだったが、これからは中央の意向を伺うことでなく住民の声を聞くことが仕事の中心になる。利権誘導でなく、地域の経営を考えていく政治に知事も市長も議会も変わらなくてはいけない。
改革法案を国会に提出

福島県矢祭町は議会を日当制にした。また、今までは地方議会の定員は国が人口に応じて法律で細かく決めていたため、報酬を下げてボランティア的な議員を増やしたり、報酬を上げて少数精鋭にすることもできなかった。現在提出中の地方自治法改正案でその規制は全面的に撤廃することにしている。
また、現在の会期制に代えて通年議会で週末や夜間などいろいろできるようにする。大きな公共事業などは住民投票で直接決められるようにもする。今年はこのような改正法案も提出する。
自民党時代は古い議員が多く、改革も進まなかったが、民主党には若い議員が多く、このような改革の機運がある。
国会議員年金はすでに5年前に廃止した。というのも、国民は企業負担が半分。国会議員は国が7割負担。自民党政権下で民主党から提起して廃止になった。
地方議員年金は廃止
現在、地方議会の議員だけに特別の年金があるが、これは特権そのもの。一般の年金は25年加入が必要だが、地方議員は3期12年で年金を受けられる。
市町村合併などによる議員数の減少で財政が行き詰まり、4年前、8年前にも制度改正して、だましだまし税金投入で続けてきたが、市町村合併に伴い、かつて6万人いた議員が今は3万人に。受給者は9万人。それをこの3万人で支えている。今以上の公費投入が延々と続くことになる。民主党は、地方議員年金制度そのものを廃止する方針を決めている。
ただ、廃止したからといってただちに今もらっている人への年金も廃止できるか、掛け金を没収できるかという問題はある。高額所得者への支給停止などと合わせた一定の経過措置を講じる必要はある。
民主党と政府は連携して議員年金制度廃止の結論を出しているが、水面下では、一部野党から地方議員を共済組合に加入させてくれというような声も出ていて、きれいに廃止と決断しているのは今のところ政府・与党だけだ。