医療・介護を立て直す

厚生労働省大臣政務官 岡本充功衆議院議員

――医療崩壊が叫ばれてきたが、政権交代でどう変わったか。

 まず、高齢化の進行や医療の高度化に伴う社会保障費の自然増分について、旧政権がとってきた毎年度2200億円削減の方針を政権交代して撤回した。

赤字の市民病院などが黒字に、活力も

 診療報酬も旧政権下で10年間マイナス改定だったが、10年ぶりにプラス改定した。救急や産科、小児科、外科、病院勤務医などを重点的に評価して、これまで赤字で疲弊していた市民病院などが黒字になり、活力が出てきた。

――医師の数についてはどう考えるか。

 医学部の入学定員を増やしたり、各県出身者の枠を設けたりして、地域の病院に来てもらえるようにした。新年度からは、15の都道府県で先行的に地域医療支援センターを設置し、医師不足病院の医師確保の支援等を行う。
 医師不足を完全になくすことは難しいかもしれないが、地域で必要とされる医療をなんとか回していけるレベルに持っていきたい。


介護職員の処遇改善、在宅型介護への転換

――高齢者が増えていく中、介護は政権交代でどう変わったのか。

 まず介護の現場で働く皆さんの処遇改善に取り組んだ。09年6月と10年6月の比較で介護職員の賃金は月額約1万5千円増加した。現場で働いている方々が働き続けられることが重要であり、さらに処遇改善を進めていく。
 もう一つは、介護が必要になっても今まで住み慣れた地域で生活を続けられるよう、地域の高齢者向け住宅を充実させるとともに、24時間対応の定期巡回・随時対応型のサービスを開始した。施設入所型から在宅型への介護のスタイルの大きな転換だ。

後期高齢者医療制度は廃止へ

――後期高齢者医療制度はどうなったのか。

 後期高齢者医療制度は廃止することが決まっている。75歳という年齢に着目した17項目の診療報酬はすべて廃止し、見直した。年齢で区切って差別していくことはなくしていく。

――いくつかの予防接種を国費で受けられるようになったとも。

 予防接種行政はすごく進んだ。子宮頸がん予防ワクチンなどに国費を出し、ほとんどの市町村で無料で受けられるようにした。若い女性が命を落とすことを少しでも減らしたいという思いからだ。


――そのほかどんな取り組みを。

 肝炎の医療費助成の拡充、高額療養費の見直しも行った。

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