都市と農地をあわせた復興の形を考える

農林水産部門会議座長 佐々木隆博衆院議員

――第1次補正予算で農水予算の総額はどのくらいですか。
佐々木博隆議員

 約3800億円ですがまだ足りません。農水関係は今回の震災で一番被害が大きいと思います。本格的な復旧予算措置は第2次補正予算以降ですが、第1次補正予算では喫緊の手当をさせて頂きました。


復旧への具体的取り組みについて

――水産業が受けた被害と、復旧はどのように行いますか。

 水産業は、漁港、漁業船舶、冷蔵・冷凍施設、水産物加工場、これらが「セット」で成り立っています。まず、海に沈んでいるがれきの処理をし、漁港を応急的に整備します。船は直せるものは直しますが、中古の船も探しています。冷蔵庫や大型の製氷設備を持った船の一時借り上げの検討も含めます。「4点セット」での復旧が出来る漁港から進めていきます。
 また、漁に出られない人には復旧事業に従事してもらい、雇用を確保します。

――農地の復旧についてはどうですか。

 農地に散乱するがれき処理を一番に行います。
 また農地が塩水に浸かったことで塩を取り除く作業に水田は1年ぐらい、畑の場合は、上から水を掛けるやり方で3年ぐらいかかります。この除塩事業は新規立法で行うことも考えています。

風評被害の払しょくに尽力

――福島第1原発事故による風評被害への対応は。

 風評被害は日本全国に拡大しており止めるのは非常に難しく、海外への輸出にも影響が出ています。暫定基準値を超える放射性物質が検出された農作物は出荷制限が行われていますが、言い換えれば出荷されているものは安全だという証明になります。また出荷制限への補償については、政府に3回提言しました。因果関係の基準をつくり、早急に目に見える補償をすることが不安解消につながります。

国・県・市町村が一体で取り組む

――党として今後の復旧・復興へのあり方をどう考えますか。

 都市と農地の再開発、都市計画法と農地法の二つの法律をあわせた復興の形を国交部会と長期的視点で議論しています。
 そして現地の首長や各種団体の代表者ら当事者の方と一緒に計画し、政府、県、市町村で一体となって復興への取り組みが行えるような仕組みが必要です。また、再建に向け被災者が二重ローンで借金を増やさないようにすることや、離れていた若い人たちが戻ってくるような仕組みを考えていきたいと思います。

▲ページトップへ