復旧と並行し前向きな施策転換も

環境大臣政務官 樋高剛

生活を取り戻すため
まず、がれき処理

――震災対応での環境省の一番の仕事は?
環境大臣政務官 樋高剛

 被災地の生活を取り戻すことが第一です。環境省ではまず、自治体と協調しながらがれきの撤去に取り組みました。山手線内側の7倍を超える面積に広がり、各市町村で被害状況も違うなか、位牌やアルバムといった思い出の品を確保してお返しすること、同時に行方不明者の捜索を最優先しました。

――撤去後の最終処分は順調に進むのですか

 これこそ広域連携です。日本を復興させよう、危機を乗り越えようと災害廃棄物の処理に関して全国から支援の手が差し伸べられ、環境省が具体的な調整作業を進めています。
 そして、今後は中長期的な取り組みも必要になります。例えば東北地方は木造家屋が多いので、木材チップにして東京に運び、燃料として燃やして発電させるという好循環を生み出すことが可能です。それを実現できるのは唯一環境省であり、がれき処理を前向きな施策へ転換したいと考えています。

――危険性が伴うごみ処理への対策は?

 放射能汚染が心配されるケースなどの災害廃棄物については、仮置き場に集積してモニタリングし、環境省が関係機関と連携をとって検査し、安全だと判断したものしか処理の工程に進まない仕組みにしています。
 ですから、処理したために全国に危険物質が拡散する心配ありません。


ペットも家族の一員

――被災地のペットを心配する声が多々ありますが。
環境大臣政務官 樋高剛

 残されたペットが保健所で殺されるということはないと確認しています。一方で避難区域のペットは、住民の方々の一時帰宅に合わせての救出を官民合同で既に実施しています。

――ペットを連れていきたいという方は?

 避難所では共生の理念を掲げ、例えば獣医師会をはじめとする各種団体にもお力添えいただき、避難所のなかにペットと一緒に生活できるスペースを設けています。
 ペットは飼い主にとっては家族同様であり、心のケアにおいても大切な役割を担っています。また、動物愛護の観点からもしっかり取り組んでいます。もちろん、アレルギー体質の方や動物の鳴き声が気になる方などへの配慮はしっかりと行っています。

節電を通じ意識改革を

――夏に向けての節電対策は?

 環境省では「みんなで節電アクション」を提唱し、ウェブサイトでは負荷を少しでも軽減する節電ノウハウを示しています。
 一人ひとりの節電努力によってCO2の削減、地球温暖化防止にも大きく貢献することをご理解いただき、節電を通じた意識改革、ひいては地球環境問題に貢献できるよう日本人のライフスタイルを変えていきたいと思っています。

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