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民主党政策集―私たちのめざす社会―
【1】分権・行革・政治改革
地方分権
 民主党は、地域のことは地域で決めることができる「地域主権型社会」をめざしています。それぞれの地域がもっている個性や、本来の能力を発揮するためには、全国一律の押しつけではなく、自分たちの判断で決定することが必要です。地域の実情にあった決定が地域の活性化を実現し、そして国全体の活力へつながっていくと考えています。一方で現在の中央政府は、例えば外交、安全保障、金融など本来その機能を発揮しなければならない分野において弱体化しています。これは中央政府が何から何まで抱え込み肥大化・非効率化してしまったからです。民主党は、中央政府の役割を限定し、本来の中央政府の機能を十分に発揮させるべきであると考えています。  霞ヶ関の縦割り行政による弊害と、国・地方のコスト意識の欠如が、膨大な税金のムダづかいをもたらしています。その最たるものが「ひも付き補助金」です。民主党は、税金の使い道を地域が自らの責任で決められるように、抜本的な税財源移譲を行います。そのため第一段階として、現在の約20兆円の補助金のうち、国が責任を持つべき事業(生活保護など)に係わる補助金以外の約18兆円を原則廃止し、3年以内に税源移譲(5.5兆円)や一括交付金(12.5兆円)に改めます。また、地方債制度についても、地方の自立と自己責任の徹底を図る観点から、改革を行います。さらに第二段階として、国と地方の役割分担を「補完性の原則」に基づき明確にした上で、更なる税源移譲をすすめます(財源は「一括交付金」)。加えて課税自主権を大幅に強化し、地方の努力による税収確保を促進することによって、自主財源だけで運営できる基礎自治体の割合が、全体の2分の1を超えることを目標とします。なお、自治体破綻法制の検討に着手します。  所得税収(国税)のうち、5.5兆円程度を住民税(地方税)に移譲します。同額を補助金から削減することによって、現在3:2である国と地方の税源配分を1:1とします。これにより、地方の判断で自由に使える財源が飛躍的に増えます。同時に、税源配分に即した形に国・地方の役割分担を改めます。    現在の地方自治体向け個別補助金を原則全廃し、一括交付金へと転換させます。一括交付金は、「教育」「社会保障」「農業・環境」「地域経済」「その他」という5つの大くくりの下に地方へ交付し、そのくくりの中で地方が自由に使途を決定できる財源です。従来の「ひも付き補助金」とはまったく異なり、中央への陳情も不要になります。一括交付金の使途については、国は基本的には関与せず、原則、事業選択は自治体においては自由に行えるものとします。これにより、自治体の事業選択の幅が飛躍的に広がる一方で、なぜその事業を選択したのかを住民に説明する義務が生ずることとなります。  現行の地方交付税制度を抜本的に改め、簡素・透明でかつ地方の自立を進める制度へと転換させます。税源移譲と地方交付税制度改革によって、地方は財政的に国と対等な関係となり、自立が促進されることとなります。この改革の際の柱は、(1)不交付団体を増やす、(2)地方債の元利償還分の交付税措置は、段階的に縮小し、将来的には廃止する、(3)地方自治体の自主努力を阻害するような要因を排除する、(4)徐々に財源保障機能を縮小し、財政調整機能を拡充する、という4点とします。自治体間の格差を一定程度調整するために、地方交付税制度を抜本的に改めた、透明度の高い財政調整制度を構築します。また過疎・離島等の特殊地域については、特別の財政調整制度を設けます。  分権政策を推進するに当たっては、国と地方の協議を法制化し、地方の声、現場の声を聞きながら真の分権を実現していきます。  一括交付金が実現すれば、法令や補助要綱などといった、国による義務づけや介入は大幅に減ることになります。その結果、中央官庁の定員は相当程度減ると考えられ、地方自治体、立法府などに吸収できるような仕組みを検討します。    地方分権とは国に集中した権限を、住民(国民)に返すことです。その際、住民に最も近い基礎自治体(市町村)に可能な限り権限と財源を移譲します。特に、人口30万人程度以上の基礎自治体に対しては、政令指定都市と同等かそれ以上の事務権限と財源を移譲します。その上で、基礎自治体にできないことは広域自治体(都道府県または道州)が、広域自治体にできないことは国が行う、という「補完性の原則」を徹底します。
 基礎自治体の規模拡大、基盤強化の中で、都道府県の自主的な判断を尊重しつつ、合併などによる道州制の実現へ向けた制度整備に着手します。
 民主党は、中央省庁の権限を限定し、地方自治体との間の権限配分を明確にすることなどを盛り込んだ地方自治確立に関する法律を制定します。国は、外交、安全保障、通貨、金融など限定された分野を担い、機動的で効率的な強い政府をつくります。  住民参加、住民による行政の評価や監視が容易にできる環境を整備し、住民が地域の主役であることを明確にします。政策の決定に住民が参加し、意思を反映するために最も重要な「情報公開」「住民の直接参加」を強化するための「住民自治推進基本法案(仮称)」や「住民投票法案」を国会に提出し、その成立を図ります。  地域のニーズに応え、活力を高めるために、国が政省令等を通じて一律に定めている基準のうち、住民生活に密接に関係するものについては、地方の条例に委ね、政省令は原則廃止するなど、地域住民の判断で決められるようにします。  百花繚乱の地域の創造のために、「中央集権・全国一律・地方の東京依存」という戦後型構造から、「地域主権・多様性・自立した地方」という構造への転換が必要です。そのためには、税源・権限を地方に移譲する必要がありますが、その前提として、税源・権限を受け入れられるような体制を基礎自治体側がつくる必要があります。ゆえに、民主党としては、住民もしくは市町村の自主性を尊重し、合意形成過程を重視しつつ、市町村合併を推進することを基本とします。市町村に有無を言わせないような強制合併は行いません。市町村合併をしても新しいまちづくりが実現できないという結論を出した市町村については、合併しないという選択を認めるとともに、多様な自治を可能とする地方自治法改正をすすめます。また、市町村合併のみを推進し、分権改革を先送りすることはしません。同時に税源・権限の移譲を推進し、地方分権改革を行います。  住民に一番身近なコミュニティーを活性化することによって、自立と共生の社会を実現します。シティマネジャー制度の導入や地方議会定数の見直しなど、地方の政治の仕組みに柔軟性をもたせます。  民主党は、住民と自治体をつなぐ場、住民がその能力を十分に発揮する場として、コミュニティーの再生・強化を掲げ、そのための法整備も検討しています。特に、コミュニティーの中心的な活動主体となりつつあるNPOが自立的に活動できるようにするため、税制改革等を通じて財政基盤強化のための支援をしていきます。めざすのは、コミュニティーが機能することによって、住民が単に公的サービスの受け手を脱し、公的サービスの提供者としても、また時には企画者としても積極的に地域づくりに参加する社会です。合併によって自治体の規模が拡大しても、コミュニティーによってきめ細やかなサービスを提供できるようにします。
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