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民主党政策集―私たちのめざす社会―
【1】分権・行革・政治改革
行政改革・規制改革
 官僚主導の政治から、政治主導の政治へと改革します。これまでの官僚主導型行政システムでは、中央省庁の権限が強すぎ、ここから裁量行政、政・官・業癒着による利益誘導、不必要な規制など、様々な問題が生まれる原因となっています。これまで、自民党を中心とする政権も、行政改革や規制改革をうたってきました。しかし、特殊法人改革や郵政改革の例が示すように、結局は族議員や関連団体などの自民党内外の既得権益の壁を越えることはできず、後退・妥協を繰り返してきました。行政改革・規制改革を実現するためには、自民党に代わり民主党が中心となって政権を担う、政権交代でしかなし得ません。  現在、国家公務員は、離職後2年間は、離職前5年間に在職していた機関と密接な関係にある民間企業へ天下ることが禁止されています。現行の規制を強化するため、民間企業への天下りしか対象になっていない規制を特殊法人、独立行政法人(大学教官等を除く)などの政府関係法人等にまで広げるとともに、天下り規制の対象期間を「離職後5年間、離職前5年間」と拡大します。また現行の天下り規制には、人事院・各府省から承認を得れば、離職後すぐにでも民間企業へ天下ることができるという抜け穴があります。天下り規制を厳格に適用するため、人事院・各府省の承認制度を見直します。
 さまざまな公共調達に絡み、発注元である特殊法人および非公務員型の独立行政法人の職員が受注民間企業に大量に天下り、談合など不祥事の温床になっています。しかし、現行の天下り規制の対象は、国家公務員、特定独立行政法人(公務員型の独立行政法人)などであり、特殊法人等について天下りを規制する法律は存在しません。そこで、道路公団等の特殊法人の役職員が、民間企業へ天下ることを規制するため、「道路公団等天下り規制法案」を速やかに成立させます。  行政の不正、腐敗は国家の重大な損失であり、早急に是正する必要があります。そのための1つの有効な手段として、「内部告発の制度化」が考えられます。内部告発者の保護は、アメリカ・イギリスをはじめ韓国やオーストラリアにも同様の法律があり、現在、情報公開法の補完として機能しています。民主党は、行政内部の不正・不当な運営を内部告発した人が不利益な扱いを受けないよう保護する、「公益開示法案」を国会に提案します。  現行制度のように巨大な官僚組織が大きな力をもったままでは、たとえ政権交代が実現しても、公約として掲げた諸施策を実行に移すことは多大な困難を伴うことが想定されます。政治的任用・自由任用制度を大幅に取り入れ、実力と意欲に富んだ民間人や学識経験者、若手官僚などを積極的に登用します。官邸政策スタッフや各省の局長級ポストのうち30%以上にこれらの人材を充てます。  高度・複雑化した行政に対して、内部で育成した人材だけで対応していくことは難しくなっています。民間企業や大学の研究者等の意欲と能力のある人材を外部から積極的に採用して、人材を確保する必要があります。そのために、これまで導入されてきた官民人事交流・中途採用・任期付職員制度をさらに活用するとともに、幹部職員の公募制等を導入していくことが必要です。また、官民人事交流制度については、民間企業を退職しなくとも公務員として採用できるよう法改正を行います。
 さらに、中央省庁において、仕事に対する意欲と能力のある人材を幹部職員とするため、キャリア制度を廃止し、I種、II種間の試験区分も廃止します。  中央省庁は、現状52〜53歳で退職していく早期勧奨退職慣行があります。定年を前に退職するがゆえに、第2・第3の就職先として特殊法人や公益法人等に天下りしていく側面もあります。天下りを前提とした早期退職慣行は廃止した上で、専門職やスタッフ職を適切に位置付ける複線型人事制度を創設し、定年まで勤務可能なシステムとします。  国際労働機関(ILO)勧告に基づいて、一般の公務員に労働基本権を保障します。人事院機能を見直し、公正な人事評価システムの確立と労務管理の厳格化を進めるとともに、給与などの労使交渉は担当大臣を置き内閣が責任を持って行うこととします。これにより国民に開かれ、公務員のやる気を引き出す制度とします。さらに、紛争調整には第三者機関である労働委員会(仮称)を設けます。  国・地方を問わず、政府も効率性と機能性を追及しなければなりません。分権の推進、「生活利便向上テスト」(市場化テストを進化させ、官民双方から競争によって優れたサービスを低廉に提供する主体を選ぶもの)などを通じた「官」の役割の見直し、国民の理解を得られない諸手当の廃止など、人事計画に基づいた定数削減、給与水準の見直しなどを順次すすめ、3年間で国家公務員人件費総額を2割削減します。  特殊法人については、以前から非効率な事業運営、巨額の補助金・出資金、ファミリー企業等の事業独占、官僚の天下り等々、様々な問題点が指摘されてきました。民主党は、特殊法人という法人形態をすべて廃止することを前提として、(1)廃止、(2)民営化、(3)独立行政法人化、(4)国・地方の直轄事業化に整理・分類して改革をすすめます。政権獲得後3年間で特殊法人向け支出を半減します。また、認可法人についても抜本的な改革をすすめます。  独立行政法人は、国の組織をスリム化し事業を効率化することを目的として導入されたものです。しかし、実際は役員数や報酬が以前より増加したり、官僚の天下りの受け皿となるなど、「看板の掛け替え」、「焼け太り」と指摘せざるを得ない状況です。民主党は、独立行政法人に関する情報公開を徹底すると同時に、法人の長の公募制等による民間からの人材登用を図り、運営の効率化をめざします。  公益法人(財団法人・社団法人)は省庁や都道府県の許可により設立されますが、補助金により無駄な事業を行っていたり、役人の天下り先になっているなど様々な問題が指摘されています。民主党は、これらの官業公益法人制度の抜本的見直しを提案しています。具体的には公益法人を含む民間非営利セクターを活性化するため、法人税を原則非課税とする「非営利法人」を簡易に設立できるようにするとともに、それらの法人のうち社会貢献性の高い事業を行う法人には、寄付控除等の税制支援を広く適用します。  民主党は「規制」を、「行政が弱者を保護したり、国民の安全を確保するための公権力の行使」ととらえるのではなく、「社会的・経済的公正を極大化するための行政サービスとしてのルール」と考えます。したがって民主党の規制改革は、法令の条項や提出書類の様式にとどまらず、「官と民の関係」そのものが検討の対象になります。具体的には(1)業法の全廃による官製市場の開放と行為規制の強化、(2)「ノー・アクション・レター(法令適用事前確認手続)」の法制化、ADR(裁判外紛争解決制度)の検討、(3)通達等による上乗せ規制の禁止、(4)行政サービス改善要望の受付、等の政策について引き続き検討をすすめます。
 事業規制原則撤廃を進め、企業努力と起業意欲を増進させます。民間の活力と創造力を引き出し、新たな需要を掘り起こすために、民間事業活動に関する規制の撤廃、公正競争の環境確保などをすすめます。現行の事業規制はすべてゼロベースで見直します。すべての官業を納税者・生活者の視点で徹底して効率化し、質の向上を図ります。そのため、市場化テストを進化させ、官民双方から競争によって優れたサービスを低廉に提供する主体を選ぶ「生活利便向上テスト」を実施し、事後チェックを強化します。「生活利便向上テスト」を実施するため所要の法整備を行うとともに、強力かつ中立的な第三者機関を設立し、そのもとで対象事業者の選定と落札者の決定を行うこととします。対象には特殊法人、独立行政法人の行う事業を含めるとともに、地方自治体に導入を促す仕組みとします。規制の全面見直し、アクションプラン策定、進捗状況の評価・監視などを行い、「規制改革推進基本法(仮称)」を制定し、規制改革を推進する上での法的根拠を明確にし、早急かつ着実に改革に取り組みます。
 また、個別分野の規制改革の検討についても取り組んでおり、6つの分野(幼保一体化、教育分野、土地利用規制、農業分野、医療、金融)について、それぞれ具体的な提案をとりまとめています。  現在340兆円ある郵便貯金と簡易保険を適正規模に縮小します。(1)2006年度中に郵便貯金の預入限度額を700万円に引き下げます。(2)同時に、名寄せを徹底し、預入限度額を超える分については個人向け国債などに振り替えます。(3)その後、預入限度額をさらに500万円に引き下げます。(4)8年以内に郵便貯金220兆円を半減させることを目標とします。
 特殊法人などに対する補助金3.5兆円を3年間で半減させ、郵貯・簡保資金のムダづかいを元から断ちます。
 郵便事業については、国の責任で全国的サービスを維持します。但し、民間事業者の参入を促進し、国民に選択可能な「官」「民」双方のサービスを提供します。郵便ポスト10万カ所設置などの高すぎる参入要件を緩和し、民間事業者の参入を具体的に促進します。
 お金の出し入れや公共料金支払い、年金受け取りなどの決済機能、行政のワンストップサービスなどについては、国の責任で維持します。
 郵便貯金・簡易保険を適正規模に縮小した後は、政府系金融機関との統合も含め、あらゆる選択肢を検討します。  捜査用報償費等を裏金化していたとされる警察不正経理問題や、警察官による犯罪等、さまざまな不祥事が続発し、警察行政への信頼は低下しています。これら警察不祥事に関して、公安委員会の存在感は極めて薄く、その役割が改めて問われています。民主党は、警察を監督する公安委員会の体制を強化するとともに、その事務を警察自身が行っているという矛盾を解消するため、国家公安委員会・都道府県公安委員会に独立した事務局を設置します。なお「報償費」「捜査費」「旅費」「食糧費」など警察経理の問題点については、政治主導で徹底的な解明を行い、その結果を踏まえ予算の改廃・圧縮を行うなど、現場の警察官が使い易い会計制度へと改めます。また都道府県知事や都道府県議会による監督の強化や、苦情処理制度の大幅に拡充により、市民の声を反映した警察行政を実現します。治安対策については、落ち込んだ検挙率を回復させることを目標とし、地方警察官を増員して「地域・刑事・生活安全」警察機能を拡充するとともに、防犯パトロール体制の強化と「空き交番」解消を進めます。また地域社会の防犯機能を生かすための支援を行います。
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