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民主党政策集INDEX2009

財務・金融

財政健全化のために、国・地方の基礎的財政収支の黒字化を図り、債務残高GDP(国内総生産)比を着実に引き下げます。

具体的には、政治主導の予算編成による予算の全面組み替え、地方分権の推進、不要不急・非効率な事業の廃止と国民ニーズに即した政策への予算の重点配分を進めます。

また、税財源だけではなく、年金保険料のムダづかいを是正するため社会保険庁を廃止・解体し、業務を国税庁に吸収させて、歳入庁を設置します。

国民の財産である年金保険料をムダづかいしてきた社会保険庁は廃止・解体、業務を国税庁に吸収し、歳入庁を設置します。

あわせて、資金調達コストの最小化、計画的な債務償還を行うため、債務管理庁の設置を検討します。

民主党政権では、国民を代表する政治家が自ら予算を編成します。

現在の予算編成は、省庁縦割りで「対前年度比」という考え方でつくった内容を単に持ち寄ったものにすぎません。民主党政権では、官邸に各省の大臣などを集め、予算編成の基本方針を決定し、省庁ごとに政治家が主導で予算を編成します。このようなシステムに転換してこそ、ムダな公共事業の削減や縦割り行政の弊害をなくし、民意を反映した未来志向の予算が実現できると考えます。

決算も予算と同程度の詳細な資料提出を義務付け、厳格なチェックを行います。

予算については予算決算及び会計令(予決令)で、予算提出後の各目明細書の財務大臣への送付が義務付けられていますが、決算については規定がありません。つまり、予算の積算が適正だったか否かは、決算を見ても評価できないのが現状です。

予決令を見直し、歳出予算について財務大臣への送付が義務付けられている各目明細書と同レベルの書類を決算についても財務大臣へ送付することを義務付け、決算を精査することによって予算の積算が適正だったかをチェックできるようにします。

会計検査院の独立性向上、会計検査の公正中立性確保、検査業務の透明性向上のため、会計検査院法を改正します。

会計検査院の独立性向上、会計検査の公正中立性確保の観点から、各省庁、国が2分の1以上出資している法人等(必要的検査対象機関)の職に就いたことがある者を、検査官の任命可能対象者から原則除外します。

同時に、検査業務の透明性向上のため、(1)実地検査した事項と結果を検査報告に掲記する(2)不当事項等への対応のフォローアップ等を行う(3)懲戒処分が要求可能な場合の要件を「故意又は重大な過失」から「故意又は過失」に拡大する(4)国民が会計検査院に違法又は不当な事実を申し出て措置を要請することを可能とする――等の法改正を行います。

複雑かつ情報開示が不十分な国の会計および財務内容を透明化する改革を行い、適切な予算編成・効率的な行政を推進します。

予算編成過程を原則として公開するとともに、執行を厳格に管理します。

一般会計、特別会計について、発生主義・複式簿記による財務書類等の作成及び財務情報の開示を法定化し、提出時期を前倒しする「公会計法」を制定します。

特別会計制度は、国の財政状況をわかりにくくし、また各省庁の「隠れた財布」となって、巨額のムダづかいの温床となっています。このムダづかいを止めるために、特別会計をゼロベースで見直し、最終的には「財政再建特別会計」「交付税特別会計」等に簡素化します。

また、不正経理の防止の徹底を図るため、(1)予算執行職員の弁償責任の範囲を広げる(「故意又は過失」に拡大、除斥期間の規定の削除)(2)予算執行職員に係る懲戒処分の要求を会計検査院の義務とする――等を内容とする法改正を行います。

米国に端を発する金融危機は、わが国企業・家計の資金繰りにも深刻な影響を与えています。企業・家計の資金繰りを支えるため、(1)信用保証の対象業種を拡充する(2)中小企業向け検査マニュアルを弾力化する(利払いが行われている限りにおいては不良債権に分類しないようにする等)(3)住宅ローン等の返済条件緩和を支援する――などの対策を迅速に講じます。

証券取引等監視委員会を改編し、独立性が高く、強力な権限を有し、幅広い金融商品取引を監視する「金融商品取引監視委員会」(日本版FSA)を創設するとともに、人材育成に努めます。

日本の金融市場の国際的な地位向上を図り、経済を活性化するためには、「貯蓄から投資へ」の流れを加速させることが重要です。そのために、投機筋にかく乱されない健全で信頼される市場を構築します。

株式を公開している会社等は、投資家、取引先や労働者、地域など様々なステークホルダー(利害関係者)への責任を果たすことが求められます。公開会社に適用される特別法として、情報開示や会計監査などを強化し、健全なガバナンス(企業統治)を担保する公開会社法の制定を検討します。

多様な金融商品が開発・販売されるようになり、金融商品に関するトラブルが後を絶ちません。銀行・証券・保険・商品(現物・先物)会社等によって販売されるすべての金融商品に対する包括的・横断的な投資家保護法制の整備を図ります。

中小企業金融の円滑化を図るために、担保に偏らずキャッシュ・フローに重点を置いた融資を推奨するとともに中小企業向け検査マニュアルの弾力化措置(利払いが行われている限りにおいては不良債権に分類しないようにする等)等を講じ、貸し渋り、貸しはがしを解消させます。

地域への貢献度や中小企業に対する融資条件などの情報公開を通じて、金融機関同士の健全な競争と経営を促すために、「地域金融円滑化法」を制定します。

市民から資金を集め、福祉や環境などの地域活動に融資するNPOバンクのような小規模・非営利法人について、貸金業法の資産要件の適用除外とします。

営利を目的とせず、保険会社が扱いにくい特定リスクに対応した保険や低廉なリスク移転手段などを提供し、一定の社会的意義を有する小規模・短期の「自主共済」については、規制の厳しい保険業法上の「保険業」とは区別します。

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この政策集は、民主党の政策議論の到達点を2009年7月17日現在でまとめたものです。

民主党政策集 INDEX2009
発行日 2009年7月23日
発行 民主党