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民主党政策集INDEX2009

労働

期間の定めのない無期雇用、直接雇用を雇用の基本原則と位置づけ、長期安定雇用を雇用・労働政策の基本とし、すべての労働者が生涯にわたって、生きがいを持って働き、豊かで安心して暮らすことのできる社会を目指します。

民主党が2007年に提出した「雇用基本法案」では、(1)若年者や女性・高年齢者・障がい者・生活保護者等への就労支援(2)地域雇用開発や職業能力開発の促進(3)外国人の労働者に関する環境の整備(4)公正な働き方の確保(5)安全と健康の確保(6)ワークライフバランスの確保(7)求人の開拓や雇用情報の収集・提供等を含めた雇用機会の確保――について必要な施策を規定しています。こうした包括的な雇用政策により、まじめにしっかりと働けば、誰もが普通の生活が送れるよう、新たなはたらき方のモデルを提示します。

雇用・労働政策の推進にあたっては、国際労働基準の尊重・順守を基本とし、関係条約を早期に批准します。

非正規雇用から正規雇用への転換、障がい者や高齢者の雇用促進、時代にあった公共職業訓練の充実など、積極的雇用政策を推進し、民間の力を活用した職業能力開発に力を入れます。

若年層から中高年層まで、すべての世代に対応する職業能力開発制度の抜本強化を進めます。より高度で実践的な職業能力を有する人材育成のための職業訓練校の展開、各地域の実情に即した官民職業紹介機関や能力開発機関、地方自治体の連携(求人・求職情報の相互提供などを含む)、地域労使参画による評価制度などを確立します。企業内、業界内での職務内容や能力評価基準等の明確化、社会人の利用拡大に向けた奨学金制度の整備、キャリアカウンセラーの育成を支援します。一定期間勤務すれば休業が認められるキャリアブレイク制度の普及も支援します。こうした施策により、企業が求める人材と求職者のミスマッチの解消を進めます。

雇用失業情勢の悪化に伴い、派遣労働者を含む多くの非正規労働者が職場を追われ、ネットカフェ等で寝泊りしなければならない人が増加しています。この状況を改善するため、「住まいと仕事の確保法」を制定し、住居がなく、安定した就職が難しい若者等に対して、ハローワーク・自治体・企業の連携のもと、カウンセリングや職業紹介、職業訓練、賃貸住宅への入居などを支援します。

自立を希望する若者が安定した職業に就けるよう、(1)「若年者等職業カウンセラー」による職安での就労支援(2)「個別就業支援計画」の作成などによる職業指導(3)民間企業での職業訓練――等を行います。必要に応じて就労支援手当(1日1000円、月3万円相当)を支給します。

教育機関・企業・国・自治体が連携して、職業体験学習や企業見学、インターンシップなどを行い、若い世代の就労意欲の向上を図ります。

期間の定めのない雇用、直接雇用を雇用の基本原則と位置づけ、労働者の約3分の1を占める非正規労働者の労働条件確保に取り組みます。特に30歳代の若者は、社会人となった時期が不況と重なり、非正規雇用を余儀なくされ、雇用に対する安心感と生活の安定を得ることができないケースが多くなっています。

2007年に成立した労働契約法では、民主党の修正提案により、異なる雇用形態であっても就労の実態に応じて均衡を考慮することが労働契約の原則に盛り込まれました。

今後も(1)労働者派遣法の改正(次項参照)(2)期間の定めのある雇用契約についての締結事由や雇い止め(*)の制限等を定める(3)非正規労働者に対する待遇の差別的取扱いの禁止(4)複数の職場をかけもちするマルチジョブホルダーに対する労働災害適用や労働時間管理、雇用保険等、社会保険の適用(5)実質的に雇用関係にある請負自営業者に対する労働契約法の準用――等を進めます。

*雇い止め:期間の定めのある労働契約が反復更新された後に労働契約を更新せず期間満了で終了すること

派遣労働者の労働条件を改善するため、労働者派遣法を抜本的に見直します。

具体的には(1)解雇予告手当や社会保険が十分適用されない2カ月以下の雇用契約について労働者派遣を禁止。これに伴い「日雇い派遣」「スポット派遣」(*)も原則禁止(2)派遣労働者と派遣先労働者との均等待遇原則を確立(3)「直接雇用みなし制度」の創設。違法な派遣が行われた場合などに、派遣労働者が派遣先に直接雇用を通告できるようにする(4)ものの製造現場における労働者派遣については、専門業務を除き原則禁止(5)一般労働者派遣事業については、26専門業務以外の派遣労働者は常用雇用に限定(6)マージン比率を含め情報公開を徹底(7)「専ら派遣」(*)の禁止規定を拡大し、法人およびその子法人から成る法人グループへの派遣を80%未満に制限――等です。

*スポット派遣:派遣会社が派遣先企業に労働者を1日単位または30日未満の雇用契約を結んで派遣すること *専ら派遣:特定の派遣先企業に対してのみ労働者を派遣すること

まじめに働いた人が生計を立てられる水準まで最低賃金を着実に引き上げます。2007年に成立した改正最低賃金法には、民主党の修正提案により、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう」との文言が地域別最低賃金の原則に加わりました。中小零細企業で最低賃金の引き上げが円滑に実施されるよう財政上・金融上の優遇措置を実施します。そのうえで、最低賃金を全国平均1000円まで引き上げることを目指します。

雇用は期間の定めのない雇用契約が原則であるとの考え方に立脚し、例外として認められる期間の定めのある契約の締結事由や雇い止めの制限等を定め、個別の労使紛争に対する適正、簡便、迅速な紛争解決システムの整備促進を図ります。雇用・就業形態の多様化・複雑化、非正規雇用の増加などに伴い、賃金やその他の労働条件が労働者と企業の個別労働契約に委ねられることが多くなり、労働条件の不利益変更による紛争も増えています。

2007年に成立した労働契約法には、民主党の修正提案で労働契約の原則に就労の実態に応じた均衡考慮、ワークライフバランスへの配慮が盛り込まれ、労働契約の期間や更新の有無などの内容を書面で確認する重要性が明確になりました。今後も労働契約は合意により成立し、変更、終了されるという原則に立脚し、労使紛争の予防と解決の促進に取り組みます。

すべての労働者が、雇用保険や社会保険、生活保護などのセーフティネットに支えられ、社会的に排除されることのない仕組みを再構築します。

雇用保険と生活保護との間をつなぐ第2のセーフティネットを整備します。「求職者支援法」を制定し、失業給付が終了した人や、自営業を廃業した人に、職業能力訓練を受けた日数に応じて能力開発手当を支給します。また、失業後1年に限り、在職中と同程度の保険料負担で医療保険に加入できるようにします。

雇用の第1のセーフティネットである雇用保険制度の安定した財政運営を確保するとともに、雇用政策における国の責任を明確にします。現在、雇用保険の被保険者となることができるのは、原則として6月以上の雇用の見込みがある場合ですが、31日以上の雇用期間がある全ての労働者を原則として、雇用保険の一般被保険者とすることとし、雇用のセーフティネットから排除されてきた非正規労働者のセーフティネットを拡充します。

新規学卒者に対する採用内定の取消しが社会問題となっています。過去にも繰り返し発生してきた内定取消しについては、私法上の規制を法律で明文化するため、労働契約法を改正し、採用内定取消規制条項を新設します。採用内定の安易な取り消しを防止し、内定取り消しに関する紛争の防止および解決等を図るため、内定取消しは、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とすることなどを明確にします。

育児・介護休業制度を利用しやすくすることに加え、育児休業については、職場復帰後に活用できる多様な子育て支援メニューを整備します。育児や介護をしながら安心して働けるように、長時間労働の解消、年次有給休暇の完全消化など働き方を変革するとともに、子どもの看護休暇の普及、妻の出産後の父親の産後休暇、父親の育児休業取得の促進、勤務時間の短縮制度の普及、有期雇用労働者の育児・介護休業取得の保障などを推進します。また、情報通信機器等を活用した自宅での勤務(テレワーク)について、情報保護など設備・技術に関する支援、労働時間の管理や業績評価についてのルールをつくります。

労働者の募集および採用について、その年齢にかかわりなく均等な機会を確保します。

民主党の「募集・採用における年齢差別禁止法案」を受けて、改正雇用対策法に募集・採用に係る年齢制限禁止の義務化が盛り込まれました。この規定の実効性を高め、バブル崩壊後に長引いた「就職氷河期」に学校を出ても就職できず、正社員を希望してもパートやアルバイトの仕事にしかつけなかった世代、あるいは出産・育児や復学などのためにいったん離職し、再就職を目指す人たち、働く意欲のある高齢者などの雇用機会を増やします。

すべての労働者が、仕事と家庭生活の両立、健康確保、地域活動、自己啓発など、一人ひとりの意識やニーズに応じて、ワークライフバランスを保つことのできる社会、すなわち、男女ともに仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会を目指します。

長時間労働によるメンタルヘルスの悪化、過労死・過労自殺などを防ぎ、健康・安全配慮義務が適切に履行されるよう労働時間管理の徹底を強化します。月60時間超の割増賃金率50%への引上げを着実に実施します。1日11時間の休息時間規制を設けるEUの労働時間指令を参考に、心身の健康確保のため、勤務と勤務の間の休息時間の導入に取り組みます。派遣・請負労働者も含め、安全衛生教育や予防、再発防止対策を強化し、労働災害を撲滅します。

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この政策集は、民主党の政策議論の到達点を2009年7月17日現在でまとめたものです。

民主党政策集 INDEX2009
発行日 2009年7月23日
発行 民主党