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国会レポート2002
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第2章 ネクスト・キャビネットの活動


3 行政改革・規制改革部門


政府の特殊法人改革等整理合理化計画
 特殊法人改革は、小泉首相が唱える構造改革が真のものかどうかを占う重要課題であった。
 政府が2001年12月に閣議決定した「特殊法人等整理合理化計画」においては、住宅金融公庫等の9法人が他法人との統合などにより廃止、道路公団等の25法人については民営化等の措置をとるとされた。また、雇用・能力開発機構等の29法人は27の独立行政法人とし、日本放送協会(NHK)は現状維持、住宅公庫を除く政府系金融機関8法人と日本中央競馬会など公営競技5法人の13法人は引き続き検討とされた。
 しかし、政府の合理化計画は、廃止が少ないなど明らかに踏み込み不足であり、独立行政法人へ移行する法人も、単に看板の書き換えに過ぎない。

民主党の特殊法人改革案
 これに対し民主党案は、緑資源公団など廃止が25法人、道路公団など民営化等は25法人と77特殊法人の大半について、「原則、廃止・民営化」を貫いている。また、国民生活センターなど21法人については、17の独立行政法人に整理する方向であるが、「第2の特殊法人」とならないよう、事務事業の徹底的な見直しや、法人の長の民間からの公募等を行い、効率的な運営を図るものとしている。なお、NHKならびに公営競技5法人については、引き続き検討中である。

規制改革への取り組み
 民主党は、規制改革プロジェクトチームにおいて、(1)人権、雇用、環境など、人が人であるために守られるべき分野(社会的規制の強化)、(2)本来、救済されるべき社会的弱者にセーフティーネットを取り戻すための分野(社会的規制の見直し)、(3)市場や民間への分権化・経済規制のサンセット化を推進する分野(経済的規制の見直し)の3つに区分して検討を進めた。
 特に、医療・雇用・福祉・教育の各分野について、まず規制改革を行うべき先行分野として、ネクスト・キャビネットに中間報告を行った。

公務員制度改革
 政府は、2001年12月に「公務員制度改革大綱」(以下、大綱)を閣議決定した。
 大綱は、(1)職務給制度を改め、能力に応じ給与を定める「能力等級制度」の導入、(2)閣僚を人事権者として定め、天下り等の承認を人事院から移行、(3)I種試験合格者の増加、(4)人事院については、事後チェックなどに役割を限定、などを主な内容としている。
 民主党は、大綱決定の過程自体が、十分な審議過程を経ていないことを批判し、首相官邸に対して申し入れを行うとともに、民主党の公務員制度改革を検討するため、積極的に外部講師を招いての勉強会等を重ねた。
 そして、行政改革・規制改革部門としては、内閣主導による行政システムの確立、天下りの制限等を基本的な方向として確認した。

公益開示法案
 また、民主党は、公務員制度改革の一環として、154回通常国会に、「行政運営の適正化のための行政機関等の業務の執行に関する報告及び通報等に関する法律案」(公益開示法案)を提出した。

公益法人改革への取り組み
 現在、公益法人は、国・地方所管を合わせて約2万7,000存在しているが、KSD事件にみられるように、「公益」とは名ばかりの法人でも一律で税制上の優遇等を受けている。
 政府は、行政から補助金や委託等を受けている、いわゆる行政委託型公益法人に対する改革を提示したが、これは個別の事務事業の見直しに過ぎず、根本的な解決策とはなりえない。
 民主党の公益法人改革ワーキングチームは、民法第34条に基づく主務官庁による法人設立の許可主義が本質的な問題点であるという認識のもと、NPO法人や中間法人等を含めた抜本的な民法改正を視野に入れた改革の方向性を示した。
 具体的には、法人を営利・非営利の2つに区分し、準則主義で設立を可能にするとともに、寄付金税制の優遇等を基本的な方向としている。

1998・1999年度決算審査
 1998・1999年度決算等については、外務省報償費や渡切費の不正使用、公共事業の不適切な入札を指摘して、衆参両院で反対した。なお、衆議院においては、決算に関する議決案に反対、内閣に対する警告決議案に賛成した。
 2000・2001年度の公共事業等予備費など12案件については、公共事業等への支出増を理由として反対した。
 なお、1999・2000年度の国有財産2案件については、特に反対する理由もないことから賛成した。



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