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国会レポート2003
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第2章 『次の内閣』の活動


1 予算


2002年度補正予算への対応
 156回通常国会の冒頭に政府より2002年度補正予算が提出された。これは小泉首相の公約であった「国債発行30兆円枠」を、国民に対して何の説明もないままに破棄したものであった。その上、本補正予算の審議における菅代表の質問に対して「この程度の公約を破っても、大したことはない」と答弁した。
 民主党を中心とする野党4党は、小泉政権の経済失政によって危機に直面している国民生活の深刻さを踏まえ、前年の臨時国会から補正予算の編成を強く求めていた。しかし、遅ればせながらようやく政府が編成した補正予算の内容は、相変わらずの従来型公共事業や、効果の乏しい従前の政策の焼き直しばかりであった。これは野党4党が求める雇用対策・中小企業支援を中心とする補正予算とはかけ離れているものであり、野党4党は、一致して反対した。

民主党予算案の編成
 小泉政権の経済失政では経済が再生することはなく、既得権益の固守に汲々とする自民党政権では、国民生活が危機から脱することはない。そこで民主党は、既得権益固守の「間違った税金の使い方」を改めるため、憲政史上初めて野党として予算案を編成することとした。国民の付託を受けた政治家が、自らの責任で予算を編成することにより霞が関の縦割りを排除し、国民ニーズに即した資源配分のあり方を示して国民に選択肢を示すことが野党第一党の責任であり、経済再生・国民生活の回復に不可欠であると考えたためである。
 予算編成に向けて、まずはその基本方針を1月17日の『次の内閣』において決定した。民主党予算案では、(1)『潜在的需要』を掘り起こす、(2)『将来不安の解消』を図る、(3)『仕事を生み出す』、(4)『地域の個性を生かす』、(5)『必要な資金を循環させる』、を基本理念とすることが確認され、これに基づき具体的な編成作業を進めた。

民主党予算案の内容
 その結果、2月5日の『次の内閣』において民主党予算案が決定された。ポイントは、(1)100万人分の仕事をつくる、(2)次世代への責任を果たす、(3)使い道をしばらない15兆円の予算を地域に、(4)新たな国民負担を求めない、(5)財源は徹底的な無駄の見直しで、というものである。
 (1)では、介護、教育、環境保全などの潜在的需要が大きく、将来不安を解消する分野に予算を重点的に投入することにより、100万人分の仕事をつくることとしている。これらは建設・土木など工事が終われば仕事がなくなる一時的雇用ではなく、継続的に従事できる分野である。
 (2)では、「先人から引き継いだ日本と世界をより住みやすい社会にして、次世代に引き継ぐこと」を民主党予算の基本哲学に位置づけ、これに相応しい分野である教育、環境保全等に重点投資することとした。
 (3)では、民主党の最重要政策の一つである地方分権を大胆に進めるため、現行の補助金を抜本改革し、その使途を地方が住民と協議の上で自主的に決定できるように、改めることとした。
 (4)では、単なる財政維持を目的とする安易な国民負担増は許されないとの考え方から、政府予算に含まれるたばこ税・酒税などの大衆増税を、財源を明確に示した上で排除し、さらに政府が行おうとする医療保険におけるサラリーマン患者負担引き上げも凍結することとした。
 (5)では、上記の様々な国民ニーズの高い施策を実施するに当たって、ムダな公共事業の抜本的見直し、地方への補助金改革、特殊法人等に対する補助金の削減、公務員人件費の削減等により8.8兆円の財源を生み出すこととしている。
 さらに民主党の従来の主張である道路特定財源制度(=自民党道路族の財布)を廃止し、一方で複雑で過重な負担となっている自動車関係諸税のうち、自動車重量税の減税、自動車取得税の廃止も盛り込んだ。また地球温暖化防止は国際社会と次世代に対する責務と考え、環境税の導入も取り入れた。
 平成15年度予算審議の冒頭の予算委員会では菅代表が、霞が関の手助けを一切借りずに編成したこの独自予算をもって小泉首相と議論を行った。国民に明確に選択肢を示すと共に、民主党の政権担当能力を示すこととなった。

平成15年度予算への対応
 民主党が独自に予算案を編成したことについては小泉首相を始め各界から評価を受け、予算審議も例年以上に白熱したものとなったが、官僚依存の小泉首相が民主党予算案を受け入れることは無かった。そこで民主党は野党各党と共闘し、組替要求提出に向けた協議を開始した。ここでは民主党予算案を土台として、各党と協議を重ね、結果的に以下のような内容の組替要求を取りまとめ、これを3月3日に国会に提出した。

野党4党提出組替動議の概要
 野党4党が共同で提出した組替動議は、医療保険サラリーマン本人窓口負担の引き上げ凍結などの新たな国民負担増の凍結・中止(追加額:1000億円)、雇用対策(追加額:7270億円)・中小企業対策(追加額:2000億円)、社会保障施策(追加額:3490億円)の抜本拡充等を行う一方で、その財源を、公共事業関係費の見直し、内閣官房・外務省報償費の見直し、特殊法人向け歳出の見直し等によって捻出することを求めている。併せて、大衆増税を内容とする政府提出税制改正案の撤回を求めている。本修正案の内容は野党が一致して継続的に強く求めているものであるが、政府与党はこれを否決した。



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