障害者に関する政策 障害者施策推進プロジェクトチームは、障害者の「自立と参加の共生社会づくり」をより確実なものとするため、2002年末に政府が「新・障害者基本計画(10か年)」を策定したのに際し、「民主党の新・障害者基本計画とプラン策定への提言〜『障害者の21世紀』そのスタートダッシュに向けて」を取りまとめ、内閣官房長官へ申し入れを行った。また与党3党が提出した「障害者基本法の一部を改正する法律案」については、156回通常国会にて継続審議の扱いとなったが、同法案は障害者差別の解消について理念のみにとどまるものであり、実体的解決への道筋が必ずしも明確ではない。今後は「障害者差別禁止法」の制定をも視野に入れて、取り組みを行っていく。 性同一性障害者の人権確保に向けて 人権政策会議では、これまで理解されないまま人権侵害の状態にあった性同一性障害者の権利を守るため、当事者や関係団体からのヒアリングを行った。156回通常国会にて「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律案」が、法務委員会にて委員長提案として全会一致で成立した。(詳細p.17) 監視カメラからプライバシーを守るために 全国で監視・防犯カメラの設置が広がっているが、プライバシー保護の観点から、運用の透明化が叫ばれている。監視カメラワーキングチームでは、行政機関等が設置する監視カメラについて、運用にかかる基本原則を定めるなどを内容とする「行政機関等による監視カメラの設置等の適正化に関する法律案」(監視カメラ法案)を策定し、156回通常国会に提出した。同法案は継続審議の扱いとなった。 児童買春・児童ポルノ法改正案について 子ども政策会議・法務部門合同会議では、156回通常国会に与党が提出した「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部改正案」(継続審議扱い)について、関係省庁や団体からヒアリングを行った。 新しい国立追悼施設の設置について 現憲法下では、一宗教法人である靖国神社を、戦没者追悼の中心施設として位置付けるのは適当でないとする考え方のもと、無宗教の国立追悼施設を設置し、誰もがわだかまりもなく追悼できるようにすべきとする内容の「新しい国立追悼施設の設立について」を、靖国問題ワーキングチームにおいて取りまとめた。 ドメスティック・バイオレンス対策 2001年に成立した「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(DV防止法)は、3年を目途として見直す旨の規定が含まれているが、関係者の間からは、それを待たずして改正すべきとの要望が強い。男女共同参画政策会議では、参議院共生社会調査会「DV防止法見直しに関するプロジェクトチーム」での作業の進捗にあわせて、関係団体や有識者等からのヒアリングなどの検討作業をすすめた。 自然災害への対応 2003年7月18〜21日にかけて九州地方を中心に発生し死者23人を出した集中豪雨被害や、同年8月26日に震度6の地震が3回も発生した宮城県北部連続地震について現地視察を行った。 沖縄政策への取組み 2002年8月に取りまとめた「民主党・沖縄ビジョン」について、策定1年後のフォロー・アップのために現地を視察し(2003年7月6日〜7日)、地元の「沖縄ビジョン協議会」や稲嶺・沖縄県知事との意見交換などを行った。 「出会い系サイト法案」への対応など 156回通常国会では、「個人情報保護法関連5法案」(詳細p.34)や「食品安全基本法案」(詳細p.35)など多くの重要法案が審議された。 「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律案」(出会い系サイト法案)に対しては、いわゆる出会い系サイトににかかる問題は深刻であり、対策の必要性の認識は共有するものの、同法案には警察による恣意的な介入を可能にする等の問題が多いことから、これに反対した。