コンテンツを再生/利用するにはプラグインが必要です。

民主党サイトアーカイブ

現在のウェブサイトはこちら
2011年6月22日以前の情報その他で、新サイトに盛り込んでいないデータを掲載しております。
アーカイブTOP > アーカイブス(過去の政策 その他) > 国会レポート > 民主党国会レポート2003
国会レポート2003
contents contents |目次|序文|資料1|資料2|資料3|
第2章 『次の内閣』の活動


7 財務金融部門


平成15年度税制改正への対応
 156回通常国会に提出された平成15年度税制改正案は、将来を見据えた抜本改革を欠き、酒税・たばこ税等の大衆増税や消費税の総額表示義務付け等、重大な問題があったため、民主党はそれらを削除する修正案を衆参両院に提出したが、いずれも否決された。(詳細p.38)

牛肉セーフガード発動に反対
 156回通常国会に提出された関税定率法等改正案の審議に合わせ、民主党は牛肉セーフガード発動を回避する同法修正案を提出した。BSE問題という異常事態による牛肉の輸入数量の急変に基づき関税を引き上げることは、結果的に消費者利益に反するものである。そこで民主党はセーフガード発動の基準年を変更する修正案を提出したが、既得権益を固守する自民党の反対により、否決された。なお本修正案が否決されたことにより、5ヶ月後には牛肉の税率が引き上げられ、政府は厳しく批判された。

金融問題への取り組み
 2002年9月の内閣改造により、国家的粉飾と欺瞞に満ちた金融行政を押し進めた柳沢金融担当大臣に代わって、竹中経済財政政策担当大臣が金融担当大臣をも兼任することになった。しかし、内閣改造直後の10月3日には日経平均株価が19年ぶりに9000円台を割り込むなど、金融市場がそれを好感することはなく、その後も竹中大臣が不用意な発言を繰り返したことから、金融市場は混迷の度を深めていった。

ペイオフ再延期は小泉経済失政の象徴
 155回臨時国会では、ペイオフ凍結解除再延期のための預金保険法等改正案と、金融機関の合併に際して資本注入を可能とする金融機関組織再編成特措法案が成立したほか、金融再生プログラム(竹中プラン)が公表された。民主党は、小泉経済失政の象徴ともいえる預金保険法等改正案と、「健全な」金融機関同士の合併に資本注入を行うという矛盾に満ちた金融機関組織再編成特措法案のいずれにも反対し、民主党の金融再生ファイナルプラン関連法案を成立させ、金融健全化の先送りに終止符を打つよう主張したが、竹中大臣もまた、国家的粉飾と欺瞞に満ちた金融行政を押し進めていくことになる。

「小泉―竹中コンビ」の金融行政が破綻
 その国家的粉飾と欺瞞の金融行政が破綻したのが、156回通常国会であった。米国エネルギー会社エンロンの経営破綻により、米国発の会計不信がわが国にも波及、とりわけ繰延税金資産の過大計上が問題視されていた銀行決算には厳しい目が注がれることになる。折しも37年ぶりに公認会計士法が抜本改正(民主党は企業会計ワーキングチームを設置して修正案を提出、原案には反対)されることもあって、監査法人の間には、これまでのなれ合いを断ち切り、厳格な監査を実施しようという機運が生まれた。その結果、政府が健全だと言い続けてきた、りそな銀行が過少資本に陥り、金融危機対応会議が初めて開催されるに至ったのである。
 しかしながら、りそな銀行に対する政府の対応は、重大な疑義を抱かせるものであった。すなわち、民主党粉飾告発ホットラインに寄せられた情報では、りそな銀行は債務超過であった疑いが濃厚であり、しかも、当初は金融庁自らがりそな銀行を健全にみせるための粉飾決算を主導しようとしていたのである。一連の内部資料はマスコミでも大きく報道され、金融行政に対する信頼はさらに大きく揺らぐことになる。
 これに追い打ちをかけるように、金融庁高木監督局長(現金融庁長官)が2002年1月、当時経営危機にあった生命保険会社を救済するよう東京海上火災保険を恫喝した事実が明るみに出た。しかし、動かぬ証拠を突きつけられてもなお、竹中大臣は金融庁の対応には問題なしとしたことから、民主党は高木長官を強要未遂と国家公務員法違反(守秘義務違反)で東京地検に告発した。

契約「反故」を契約者「保護」と強弁
 生保危機が取り沙汰される中、156回通常国会では2度も保険業法が改正されるという異例の事態となった。1度目の改正は、生保破綻のセーフティネットとしてあらためて4000億円の公的資金枠を整備するものであり、2度目の改正は、破綻前の予定利率引き下げを可能とするものである。(詳細p.38)民主党は前者に賛成、後者については、銀行・生保救済のため一方的に契約者に負担を押しつけるものとして強く反対したが、いずれも与党の賛成で成立した。

ヤミ金融対策法成立を主導
 年利何千、何万%という超高金利と過酷な取り立てにより多くの自殺者を生み出しているヤミ金融について、民主党はいち早く対策に取り組み、156回通常国会において、与野党共同でヤミ金融対策法案を成立させた。(詳細p.37)

酒類小売業の適正化
 民主党は2002年7月に財務大臣等に対し「酒類小売販売の適正化」「青少年に対する酒類販売の適正化」等の申し入れを行ったが、同時期に与党3党は「酒類小売業者の経営の改善に関する緊急措置法案」を提出した(154回通常国会)。提出時の同法案の内容は、酒販店が廃業する際に補助金を交付するなど民主党として受け入れられない内容であったが、同条項を削除するなど民主党の修正要求を与党が全面的に受け入れ、規制緩和による小売酒販の経営環境激変を緩和する措置との趣旨が明確となったため、156回通常国会において賛成した。



BACK

TOP

NEXT